フィリピンでLPガスを販売しているPPCについて調べてみました。
業種
Pryce Corporation (ティッカー PPC) は PryceGasブランドでLPガスの輸入、販売を行っています。フィリピンでは都市ガスは一般的ではなくボンベのLPガスが使われます。
家庭用、工業用のLPガス販売のPryceGas以外にも、霊園運営、健康食品製造販売、住宅販売などのビジネスも行っていますが、主業のLPガス販売以外の売り上げは現在微々たるものです。
なお、PPCは過去(2005~2015年)にcorporate rehabilitationの適用(多分民事再生法的なもの?)を受けて事業再生を行っていました。その後PSEに上場して今に至っています。
業績推移
最近の業績は順調です。売上、利益とも着実に増加しています。人口増加、一人当たりガス消費量増加に伴い、ガスの売上は順調に伸びています。特にビサヤ、ミンダナオでの売上が大きいようです。
配当、バリュエーション
業績が順調で株価は(比較的)ヨコヨコなので、EPSやBPSは上昇基調です。
なお、配当は2018年から年0.24ペソ(0.12ペソ2回)の固定配当になっています(多分2021年も同じ?)。
今の株価51ペソを元に計算すると、
PERは7.23、PBRは1.12、配当利回りは4.36%となります。この業種の平均や妥当なPERがどれくらいのものかわからないのですが、バリュエーションでは割安な感じがします。
自社株買いマラソン
PPCは自社株買いの常連銘柄となっています。PPCの開示情報を見ると自社株買い(Share Buy-Back Transactions)報告で埋め尽くされています。
PPCは2018年に2年間で5億ペソ相当の自社株買いをすることを発表してから、コツコツと自社株買いを続けています。しかし2年で3.9億ペソしか買えなかったので、自社株買い期間を延長して未だ続けています。さらに自社株買いが終わったら、また新たな自社株買いをやるかもしれないと言っています。
PPCは毎日のように自社株買いを行っていますが、1日に買っている株数は本当に微々たるものです。株価にインパクトを与えないよう本当にコツコツ買っているようです。
なお、私は最近知りましたが、自社株買い情報はPSE EDGEで確認できます。というか自社株買い情報からこの銘柄のことを知りました。
企業規模と株主構成
時価総額は100億ペソ(約220億円)で、小型株です。浮動株比率は72.99%。
以下が株主構成です。
GUILD SECURITIESはPCDとはまた違う形の複数株主の集合体のようです。Salvador P. EscanoさんがCEO、Hinundayan Holdingsも同氏がCEOをつとめる関連会社のようです。浮動株比率72.99%ですので、それほど大きな固定株主はいない感じですね。
株価推移
株価推移は以下のようになっています。2015年の1ペソから2017年には7ペソ、7倍に値上がりし、その後は比較的ヨコヨコな感じです(と言っても7ペソ→4ペソ→6.5ペソとそれないに動いてますが)
まとめ
以上、PPCについてまとめてみました。LPガス販売で、競合他社に対してどこに優位点があるとか、イマイチわからないのですが、売り上げは着実に伸びています。
配当は固定ですが、自社株買いを続けているので(本当にコツコツ、マラソンのように)、実質、連続増配と同じような株主還元をしていると言えると思います。
なお、この記事のアイキャッチ画像はPPCのWebサイトから拝借しました。
その他、参考
- LPGC 平成29年度石油ガス国際市場調査報告書 (フィリピンのLPガス業界の概要、マーケットシェアなど)
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