[LAND]シティ&ランドデベロッパー

銘柄調査

LANDについて調べてみました。

シティ&ランドデベロッパー(City & Land Developers, Incorporated、証券シンボルLAND)は不動産デベロッパーです。

ポイント

  • 庶民向けコンド
  • 扱ってる物件が少ない、現在の主要物件は2件:One Taft(2022年完成)、 One Hidalgo(2027年完成)
  • 無借金

時価総額約12億の超小型株ですが、株のツール(SimplyWallSTやPSE Equipなど)で割安判定されていたのでどんなもんだか調べてみました。あと、ふとフィリピンの不動産投資(コンド部分所有)に興味がわいて、コンドを売ってる側の業務内容を見ると理解が深まるかなというので、分かりやすそうな小粒な会社の一例として調べてみました。

事業内容

シティ&ランドデベロッパーは不動産デベロッパーです。マニラ首都圏で庶民向け(低価格帯の)コンドミニアムを建設、販売しています。

2022年度の年次レポートを見てみました。賃貸(lease)も行っていますが、売上のほとんどは不動産の販売です。

なお、売上の内訳では、ここ数年9割以上を One Taft Residences というコンドが占めています。

One Taft Residencesはマラテにある40階建てのコンドで、2022年5月に完成しました。

参考 One Taft Residences ready for occupancy (2022/6/9)

なお、完成前の2021年以前も売上が立っているのはフィリピンでは建物の完成前に物件を販売するプレビルド販売が一般的らしいです。2022年までに約71%が売れていて、2023年に残りの3割を売っていくのだと思います。

現在、シティ&ランドデベロッパーの売上は、One Taft Residencesの一本足打法になっています。次の主要物件は、同じくマラテのOne Hidalgoで、2027年9月に完成予定で、今後はこのHidalgoの販売に移行していくのだと思います。One Hidalgoの販売は2023年最近開始され、会社WebサイトでOne Hidalgoがトップに表示されて今一押しのようでした↓

https://www.cityland.info/

販売相手の国籍ですが、ほぼフィリピン人で外国人は3.89%、日本人はゼロかほぼゼロ(Others)です。

私は物件の質はよくわからないのですが、立地選びはシティランドはなかなかうまいらしいです。

フィリピンのコンド開発業者 その⑥ シティランドは
フィリピンの不動産開発業者の中で特に庶民派路線を歩んでいて
あまり外国人には馴染みのない開発業者でしょう。

購入後、5年で2倍の価格で転売可能な物件は
一等地の超高級物件の人気物件か好立地の大人気物件
くらいかと思っていましたが

超庶民派物件で5年で2倍の価格にしてしまうCitylandは
改めてすごいと思いました。

フィリピンのコンド開発業者 その⑥ シティランド

バリュエーション

年次レポートによると、EPS 0.27ペソ、BPS 1.83ペソです。現在の株価0.81ペソで計算すると、PER3.3倍、PBR 0.44倍となります。配当は前年の0.0317ペソで計算すると配当利回りは3.9%となります。なお現金配当以外に5%の株券配当も行っています(これも合わせると8.9%?)。

また、その他の指標で目立ったところで、Debt Ratioが0になっています。

表記上のエラーかと思いましたが、本当にdebtが0、無借金のようです。借りない主義なのか借りれないのか不明ですが、手元キャッシュと現金同等物が5億ペソあって、資金は借りなくても足りているようです。

無借金で財務健全の上、2022年度は売上も好調で、株のツール(PSE EquipやSimply WallSTなど)の評価だと高得点がついています。

時価総額

時価総額は約12億ペソで、不動産セクターの上場会社の中でも下から数えた方が早い規模の会社です。以下は不動産セクターの銘柄を時価総額順に並べたもの(中堅以下表示)。2022年の決算は未反映。

2022/3/31時点

資本構成

株主構成ではCityland, Inc.が8割の株を持っています。

PORより

なお、同じCitylandグループの会社で、LANDの他にCDC(Cityland Development Corporation)もPSE上場しています。

CitylandグループのPSE上場会社2社

  • CDC : Cityland Development Corporation
  • LAND: City & Land Developers, Incorporated

資本構成はこうなってます。CDCがLANDの親会社です。

https://www.cityland.info/about-us

CDCもLANDも庶民向けコンドミニアム販売の会社で2社上場している理由がよくわかっていませんが、おそらくLANDがの方がより庶民向け物件を取り扱っているのでしょうか(ユニクロとGUの違いのような)。以下のように扱っている物件が異なります。

CDC 2020年次レポート 取り扱っている物件が異なる

参考 GSR 中堅デベロッパー シティランド Cityland社

なお扱っている物件は異なりますが管理部門や販売は共通で行っているようです。

株価推移

長期チャート(5年)を見ると、2021にひと相場あったようですが、材料は探し切れていません。現在はヨコヨコな株価となっています。

Investgrams – LAND

物件見学

先日マラテに行ったついでにOne Taft Residencesを見学してきました。 2022年にできたばかりの新しいコンドで駅近(LRT Quirino駅)。一階にローソンを建設中でした。屋上にプールやジムがあり。

部屋の場所により値段に差がありました。高層階の方が値段が高く、また西側の部屋(マニラ湾に沈む夕日が見える方)の方が値段がやや高く設定されています。住人は学生が多いらしいです。

ここはAirBNBなどへの賃貸は禁止らしいですが、1年などの長期で貸し出すのはありで投資用に買うのもありのようです。なお、Agodaに賃貸が出ていたましたが、誰かが勝手にやってるぽく契約違反ぽいです。(短期賃貸をしてないので数泊住んでみてから購入を決めるというのはできない感)

また、One Hidalgoの建築予定地も見てきました。LRTのQuirionとUnited Nationsの中間ぐらいの場所です(言うても歩いてすぐ)。

こちらは学生の他、近所の病院勤務の人などが住民になるぽいです。一つ気になったのは東側に高層ビルがあり、景観はビルの壁です(距離が少しあり採光はできるらしい)。

2022年に販売がはじまったらしく、プレビルドで買うなら今が一番安く買えるようです(デベロッパーは定期的に価格を値上げしていく)。

あとプレビルドの場合、分割回数が少ないほど安く買えるよう値段(割引率)を設定しているようです。プレビルド買いは、買う方から見るとローン組んで買ってるのと同じようなお得感だと思いました(資金効率はいいが、トータル支払う額は大きくなる)。キャッシュ一括払いが一番安く買えますが、完成まで賃貸収入も入ってこないし、資金効率は悪いです。

まとめ

以上、LANDについて調べてみました。

PERなどの指標だけ見るとかなり割安に見えます。しかも無借金でレバレッジなしのPERなので高ROAでもあります。

手掛けている物件が少なく、その物件の出来次第に今後の業績は大きく依存します。おそらく2023年はOne Taft Residencesの残り30%を売り切って、2024年以降はOne Hidalgoのプレビルド販売で売り上げが立っていく感じでしょうか。

LANDの販売するコンドミニアムに投資するのと、LANDの株を買うのはどちらがお得な投資になりそうか。LANDは扱ってるコンドの数が少なく、販売状況などもちゃんと開示されていて見やすい気がするので、今後も追っていきたいと思います。

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