フィリピン株の決算レポートの基本情報(上場会社はどんな種類の決算レポートをいつ出さないといけないのか?)、決算レポートの閲覧方法について調べてみました。
ポイント
- 上場企業はAnnual Report(年次レポート)と Quarterly Report (四半期レポート)で決算を発表する
- レポートはPSE EDGEで閲覧することができる
決算レポートの種類
PSEに上場している会社は、毎年1回のAnnual Report(年次レポート)と、3カ月ごとのQuarterly Report(四半期レポート)を出すことになっています。
決算レポート | PSE/SEC-Form.NO | 説明 |
Annual Report 年次レポート | PSE 17-1 SEC 17-A | 年間の決算レポート。 会計年度の終わりの日から105日以内に提出 |
Quarterly Report 四半期レポート | PSE 17-2 SEC 17-Q | 四半期ごとの決算レポート。 会計年度を基準にした四半期の終わりの日から45日以内に提出。 合計年3回提出。 |
会計年度(fiscal year)という決算の期間が会社ごとに決められていますが、ほとんどの会社は1/1~12末が会計年度で、12月末が会計年度の終わりです。12月末締めの会社の場合、
- 四半期レポートを3月末、6月末、9月末からそれぞれ45日以内に提出、
- 年次レポートを12月末から105日以内に提出
することになっています。
参考↓
Annual Report: An annual report using SEC Form 17-A within
PSE Listing and Disclosure Rules – Section 17
one hundred five (105) days after the end of the fiscal year, or such
other time as the Commission by rule shall prescribe; and
Three (3) Quarterly Reports, within forty-five (45) days from end
PSE Listing and Disclosure Rules – Section 17
of the first three (3) quarters of the fiscal year, the SEC Form 17-Q
format shall be used. Issuers must include a schedule of aging of
accounts receivables in their SEC Form 17-Q submitted to the
Exchange.
PSE EDGEで決算レポートを閲覧する
決算レポートはPSE EDGEで誰でも無料で閲覧することができます。PSE EDGEはPSEが運営するWebサイトで、上場企業の開示情報を提供しています。
- PSE(https://www.pse.com.ph/) → 証券取引所のWebサイト
- PSE EDGE(https://edge.pse.com.ph/) → 開示情報を提供するWebサイト
The PSE Electronic Disclosure Generation Technology or PSE EDGE is a state-of-the-art, fully automated system that facilitates the efficient processing, validation, submission, distribution, and analysis of time-sensitive disclosure reports submitted to the Exchange.
About PSE EDGE
PSE EDGEで、ある会社の決算レポートを見たい場合、次のようにします。
右上の検索欄に会社のシンボルを入れて検索します(パソコンからだと?何かサイトが重いことがあり、すぐ検索できない場合があります)。例えばジョリビーの情報を見たい場合は、ジョリビーのティッカー(シンボル)の”JFC”と入力します。
Company Disclosuresタブを押すと、企業が提出した開示情報が一覧されます。一覧の中のAnnual Reportが年次レポート、Quarterly Reportが四半期レポートです。なお、文書が多すぎて探しずらい場合は、”Annual Report”などの文字で一覧を絞り込むこともできます。
文書名(Annual Reportなど)をクリックすると、サブウィンドウが開きます。基本的な財務データ(Blance Sheet、Income Statement、EPSやBPSなどの)の数字はこの画面上に表示されています。またレポート本体はattachmentsのところから選択してダウンロードできます。
なお、財務データの基本的な数値は、”Financial Reports”タブでも確認できます。最新の年次レポート、四半期レポートの数字はこのページにも書いているので、単に基本的な数字を確認したいだけであれば、開示情報を見なくてもこのページで確認できます。
当初、とっつきにくいイメージがあったのですが、年次(Annual)で昨年度との比較、四半期(Quarterly)の業績の昨年度との比較があり、けっこう見やすい気がしてきてしました。
なお、特定の銘柄の決算情報でなくて、提出された最近の決算レポートをみたい、という場合には、Company DisclosureのFinancial Reportから一覧できます。社名や文書名、日付の範囲で検索も可能です。
その他参考
以上、フィリピン株の決算レポートの基本(いつ何を提出、どこで見れるか)についてまとめてみました。
このように財務レポートのフォーマットが決まっていて、企業がそれに従ってレポートを提出することで、投資家がデータを利用、比較しやすく、ツールなどでもデータ加工、表示が自動的にできる感じになっているのだと思います。
日本株だと、決算短信と有価証券報告書の2種類のレポートがありますが、フィリピン株の場合はこの2つの区分けはなくて年次レポートが有価証券報告書を含む、みたいな感じになっています(たぶん)。PSE EDGEは日本株でいうところの東証のTDNET(あるいは金融庁のEDINET)にあたります。
なお、単に基本財務データの数値が見たいだけであれば、証券会社が提供するツールを利用した方が数年分を時系列で表示されていて見やすいと思います(AB証券であればRESEARCHタブのVALUATION、FINANCIALなど)。
ガチの投資家は、決算レポート本体の中身を読み込む労力をかけていると思いますが、私はまだ決算レポート本体はちょろちょろ眺める程度です。
アイキャッチ画像はネットで拾ってきた桃鉄の画像から
参考
- PSE Listing and Disclosure Rules (PSE→Regulations→Listing and Disclosure Rules) ・・・★PSEルールブック。ここにPSEの開示ルールがまとまっている
- LIST OF PSE EDGE TEMPLATES (PSE EDGE→About PSE EDGE) ・・・★Sec Formの名前一覧
- SEC → IMPLEMENTING RULES AND REGULATIONS → 2015 Sec Rule ・・・★SRC Rule XXXとかの参照先はこれぽい
- TCG – M&A に関する法律→開示規制 ・・・★あとから見つけた。日本で簡潔に開示ルールと根拠となる例文(修正証券規制法xxx条みたいなの)がまとまっている
- 決算レポートの提出に遅れた企業には、罰金、さらに遅れると売買停止、上場廃止などのペナルティーが課されます。PSE EDGEのExchange Notice→Disclosure NoticeのPublication of Penaltiesという文書で決算レポート開示遅れのペナルティーについてのお知らせがチラホラ
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