(カンボジア株)[CGSM] カムGSM

カムGSM (CAMGSM. plc 証券シンボルCGSM)について調べてみました。

  • カンボジア3大携帯キャリアの一つ、ロイヤルグループ
  • 浮動株 0.473%!?と超少な目
  • バリュエーション PER 25倍、PBR 8.58倍、配当利回り6.2%

事業内容

カムGSMはロイヤルグループの携帯キャリアです。セルカード(Cellcard)というブランド名で携帯電波のサービスを提供しています。

CAMGSMが何の略か見つけられなかったのですが、おそらくCambodia Global System for Mobile Communicationsの略なのかなー?と思われます。日本語ニュースサイトやASEAN企業地図では”カムGSM”と表記されていたので、それに倣ってここではカムGSMと書くことにします。

カンボジアの携帯キャリアはトップ3が強いらしく、カムGSMはその一つです。

2022年6月現在 、大手事業者はViettel(Cambodia)(2008年事業開始 、親会社はベトナムのViettel)、Smart Axiata(Smart Mobile、Applifone、Hello Axiata、Latelz 等が合併 、2017年から累計で三井物産が実質20%を出資)、及びCamGSM(ブランド名:Cellcard)の3社である。競争が激しいため、事業者数は増減し、外国資本にも入退出がある 。

総務省 世界通信事情 カンボジア – 移動電話市場

2023年6月に上場したばかりの会社です。

参考

ロイヤルグループ

ロイヤルグループはカンボジア最大?の企業グループで、キット・メン氏(Kith Meng、1968~)が一代で築いたグループです。

ポルポト時代は「小金持ちの華僑」ということで目の敵にされ、一族郎党、身ぐるみ剥がされ強制収容所送りとなり、命からがらタイ国境の難民キャンプに脱出したのち、オーストラリアへ。

難民として皿洗いや芝刈りで日々の生活費を稼ぎつつ、一族の復興を胸に誓うキット氏。1991年、23歳でカンボジアに舞い戻り、国連軍相手に家具やコピー機を販売。

ついでキヤノンやモトローラ社と独占販売契約を結び、電話・通信事業の足掛かりを掴み、モビテルという携帯電話会社を手に入れると、これをシェアナンバーワンに育て上げ、グループの中核とします。

シックスサマナ

キット・メン氏は今は55才で孫正義風ですが、10年前は未だダンディーな風貌だったようです。

ロイヤルグループは金融、不動産、ITと以下の資料ににもあるようなかなり幅広い事業を展開しています。モバイル電子決済のWing、最近出来たカンボジア初?の仮想通貨取引所のRGXなどもロイヤルグループです。

証券では日本のSBIホールディングスと提携しており、SBIロイヤルホールディングスがカンボジア現地証券会社です(私が使ってる証券会社もここです)。

↓ぐぐって出てきた資料

Royal Group of Companies – An Introduction 2018

参考

業績

上場したばかりで、まだ年間決算が出ていませんが、IPOの資料から、予想ではこんな感じの業績推移のようです。年10%超の売上成長を計画しているようです。

なお、3Q決算資料からひろった直近のDEレシオ(負債/資本)は1.82と多めです。(設備投資の大きな通信セクターでは大きくなるのが一般的らしい)

バリュエーション

まだ今年の決算は発表されてないので、IPOの資料を見てみると、

EPSは102リエル、PBRは297リエルです。配当は過去2回は39.725リエルで、これは四半期配当なので年換算で158.9リエルとなります。

現在の株価2550リエルで計算するとPER 25倍、PBR 8.58倍、配当利回り6.2%となります。

なお、直近の3Q決算を見ると売上が前期比で伸びていない(人件費などのコストがなぜか減って利益は伸びてる)のが懸念です。

時価総額

時価総額は約4996Bリエル(≒1800億円)です。時価総額ではCSX上場会社の中で最大です。後述のように浮動株が小さいためか、売買代金はABCに比べてかなり少ないです。

資本構成

IPOの資料によると、以下が株主の構成です。

親会社のRoyal Milicomが96.39%、Neak Oknha Kith Meng氏はカムCSMおよびロイヤルグループ会長です。

ESOPは従業員持ち株会で、実質浮動株は現在2.11%しかありません \(^o^)/

なお、上の数字は目論見書の数字で、会社Webサイト(以下)を見ると、IPOのA株は0.473%と書いてました。目論見書は計画段階の数字なので、会社Webサイトのが正しい数字かもしれません(近々年間決算レポートが出ると思うのでそれに最新情報は書いてるはずです)。どちらにしても浮動株は相当少ないです。

https://www.cellcard.com.kh/cellcard-ir/

これはIPO時に2Bリエルの公募予定だったのが、0.9Bしか売れなかったということなのでしょうか?この浮動株の少なさは、IPO時、ケチだからとか株価が上がりやすいように、とかいう理由で公募株数を絞ったのではなくて、カンボジアの投資家の数がまだそんなに多くなくてそんな大きな購入需要が見込めなかった、ということなのかもしれません。

株価チャート

以下全体チャートです。2023/6/27に上場して、まだ半年ちょいしか経過していません。IPO価格2270リエルより少し上で株価は推移しています。

http://csx.com.kh/data/allboard/listPosts.do?MNCD=60201

その他

以上、カムGSMについて調べてみました。

浮動株が少なすぎで、市場の価格決定機能に疑念があります。

また、バリュエーションでPBR 8倍超というのが、かなり有望な成長企業の評価になっています。電子決済の会社であれば分かるのですが、携帯キャリアとしてはさすがに高すぎかなと思います。(ロイヤルグループの電子決済の会社はWing Bank?)

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