ウデナグループ

企業グループ

デニス・ウイ氏が率いるウデナグループについて調べてみました。

創業者 デニス・ウイ

デニス・ウイ(Dennis Ang Uy)氏は、ダバオでコプラ(ココヤシ)ビジネスをしていた中国系の家の長男に生まれました。福建省からダバオに移住してきた中国系移民をルーツにもちます。

デニス氏はマニラの名門ラサール大学を卒業後、ダバオで実家のビジネス(採掘、スーパー、車販売など)を10年ほど手伝い、経験を積みました。

その後独立し、2002年にウデナコーポレーション(Udenna Corporation、未上場)を立ち上げました。同じ年に、石油販売のフェニックス石油(Phonix Petroleum、PNX)を立ち上げました。その後、幅広い事業に進出し、2018年にはDITOテレコムがPLDTとGlobeの寡占市場だった、携帯電話市場に参入し、市場を沸かせました。

同じダバオ出身のドゥテルテ大統領とは親しい友人で、2016年の選挙戦では多額の寄付を行っています。クローニー(政府と癒着して利権を得る人たち)というわけではないでしょうが、石油採掘許可や携帯電話参入などの政府の承認が必要な場面では、大統領と近いことがプラスに働いたのは間違いないでしょう。

なお、有線ブロードバンドのコンバージ(CNVRG)の創業者CEOも同名のデニス・ウイですが、親戚だったりなどのつながりはないようです。

以上の情報の元ネタはほぼWikipedia↓です(デニスウイ氏、グループ各社の情報がまとまってます)。

Wikipedia – Dennis Uyより

持ち株会社 ウデナ・コーポレーション

グループの持ち株会社がウデナ・コーポレーション(Udenna Corporation)で、幅広い領域の事業を展開しています。この持ち株会社自体はPSEには上場していません。

Udenna DITO TELCO ISM C PNX PHR Stockholders News and Updates (ウデナ情報FBより)。
グループ全体のconglomerate map的なものを探したけど、見つからなかった

Udennaの名前の由来ですが、ギリシャ語のハンサムを表す言葉からとった・・・というのはジョークで、Dennis A Uy.の言葉遊び(順序を変えてくっつけた感じ)というのが本当のところらしいです。

“Udenna” is a word play on his own name: Dennis Ang Uy. “Every time people ask [what Udenna means], I joke it is the Greek name for handsome,” he shared with a hearty laugh.

How to grow a business, according to Dennis Uy (2017/8/16)
少女革命ウテナとは関係ないようだ

この記事ではUdennaのカタカナ表記をウデナで統一してますが、デナ、もしくはウデンナがもしかしたら正しい発音かもしれません(ウデンナと表記しているサイトやユデナに聞こえる動画がありました)。

なじみがありそうな非上場会社では、2019年にフィリピンのウェンディーズを買収して傘下におさめています。

参考

PSE上場会社

上場しているグループの会社には、DITO、AB、PNX、PHR、Cがあります。

時価総額などの規模は以下のようになっています。

ウデナグループのPSE上場会社一覧

DITO CME Holdings Corp.(DITO)

携帯電話会社です。2018年にPLDTとGlobeの寡占市場だった携帯電話市場に参入し、シェアを伸ばしています。中国のチャイナテレコムのバックアップもあり、莫大な先行投資が必要な事業に資金も潤沢なようです。

なお、社名のDITOはタガログ語で”ここ”(英語のhere)という意味です。

2021年に入ってから、オンラインスクール、サムソンやアリババクラウドと提携といった、事業領域の拡大の発表もあり、話題にも事欠きません。↓最近のニュース

Wikipedia – DITO TelecomunityDito CME Holdings

なお、資本関係がややこしいことになっていて、今現在、上場しているDITO CME Holdings(現在ウデナが80%所有)は裏口上場用の箱で、携帯会社のDITO Telecomunity(ウデナ系60%、チャイナテレコム40%)とは、別物の会社となっています。現在裏口上場の手続きが進められており、これが完了するとすっきりした資本構成になるはずです。

DITO (listed) is not = DITO Telecoms (2020/10/5) 

Dito CME gets SEC nod for share-swap deal (2021/8/31)

このあたり様々な材料で、株価は昨年2ペソ前後から一時20ペソ目前まで上昇、10倍になってます。

Phoenix Petroleum Philippines, Inc.(PNX)

フェニックス石油(Phoenix Petroleum)は石油の輸入販売を行っています。Phoenixブランドのガソリンスタンドを展開しており、現在フィリピンで3番目のシェアで、シェア拡大中です。

Phoenix leads as Independents continue market share expansion in 1H21

2017年にアヤラグループからPFM(フィリピンファミリーマート)を買収し、フィリピンのファミリーマートの運営も行っています。

比ファミリーマート事業、アヤラランドとSSIが撤退 (2017/10/31)

Atok-Big Wedge Co., Inc. (AB)

アトックビッグウェッジ(Atok-Big Wedge)は採掘会社です。老舗鉱山会社のアトックゴールドとビッグウェッジが合併して出来た会社で、金や副産物で銀の採掘、石油やガスの探索を行っています。

子会社を通して香港のForum Energyの20%の利権?を持っていて、この会社が探索している西フィリピン海(パラワンの周り)の海域の石油、ガスの権利に関わっているようです。この海域は中国とも交渉して共同探索するとかしないとか。(自分でもいったい何を言ってるのかわからくなってきました。未知の鉱山セクターはまた今後調べよう)

PXP Energy, Atok-Big Wedge further soar after lifting of exploration ban (2020/10/20)

Dennis Uy, MVP eyeing oil exploration deals in West Philippine Sea (2020/9/14)

PH Resorts Group Holdings, Inc. (PHR)

PHリゾートはホテルやカジノを運営しています。ボホールのDonatela Hotelやマクタン(セブ)のEmerald Bay Resort and Casinoなどの施設があります。

PH ResortsのWebサイトより

クラークにBaseというテーマパーク(カジノホテル?)を建設中で、2022年に完成予定らしいです。

証券シンボルは以前はH2Oで、Jolliville Holdingsの子会社で事業も別物でしたが、2018年にウデナグループが買収し社名変更し、証券シンボルもPHRになりました(いわゆる裏口上場というやつのようです)。

PH Resorts (PHR) and Udenna Backdoor Listing

Chelsea Logistics and Infrastructure Holdings Corp. (C)

チェルシーロジスティクス(Chelsea Logistics)はウデナグループの物流子会社で、モノや人の海上輸送が主で海運会社です。

レゼン資料(2018)より

物流会社の2GO Group, Inc.(2GO)もグループ会社でしたが、Chelsaの保有していた持ち分はSMグループに売却し、デニスウイ氏も会長を退いて(2021/6/3)います。

Dennis Uy sells 2Go to SM group (2021/3/20)

その他、参考

以上、ウデナグループについて調べてみました。デニス・ウイさん、実は私は数日前まで全く知らない人だったのですが、かなり有名人のようです。日本で言うと孫正義のような感じかもしれません。

参考

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