GTキャピタルグループ

企業グループ

フィリピンの主要企業グループの一つ、GTキャピタルについて調べてみました。

ポイント

  • 創業者George Ty → GTキャピタル
  • 主要事業は銀行、自動車

創業者 ジョージ・ティ(George Ty 1932-2018)

ジョージ・ティは香港生まれで、6歳のときにフィリピンのマニラに移住してきました。10代のころから父親の小麦製粉所を手伝い、後に任されます。

1966年、29才のときにメトロバンクを設立し、日本を含む海外にも出店します。後にトヨタモーター・フィリピンやAXA生命などを合弁で設立します。

George S. K. Ty, banking tycoon and visionary, 86 (2018/11/24)

Wikipedia – George Ty

ジョージ・ティは2018年に86才で他界しました。氏にはArthur、Alfred、Alesandra、Anjanetteの4人の子供(男2、女2)がおり、彼の事業を引き継いでいます。長男のArthurはGTCAPの副会長、MBTの会長をつとめています。次男のAlfredはフェデルランド、トヨタモーターフィリピンの会長を務めていす。

Forbes – Ty Siblings

ポートフォリオ

主要事業は銀行自動車です。他に、不動産(フェデラルランド)や保険事業(AXA生命)などの事業も行っています。また、最近TOBで上場廃止予定のMPIの17.08%を保有しています。

Annual Report → 2022

2022年は利益の半分を銀行を稼いでいました。

GTCAP Presentation slides → Full Year 2022

2023年は自動車販売が好調で、自動車販売の利益が銀行の利益を超えています。また不動産販売も好調です。

TODO 上半期プレゼンスライドがUPされたら図を追加

日本企業との関りも深く、トヨタ、三井物産、オリックス、野村不動産、伊勢丹などと提携関係になります。

Annual Report → 2022

トヨタ・フィリピン 51%

自動車製造のトヨタ・モーター・フィリピンズはGTCAPが51%、トヨタが34%、三井商事が15%の株を保有している合弁会社です。

フィリピンの自動車販売はトヨタのシェアが圧倒的に大きいです。2022年の新車販売ではトヨタブランドが46.6%を占めています。フィリピンでGrab Taxiを使うと車種はトヨタVIOSが多い印象です。

【フィリピン経済ニュース】22年の新車総販売台数37万2千台、トヨタシェア47%で断トツ (2023/2/20)

フィリピンの主要自動車メーカー19選〜製造業界〜 (2022/7/5)

TODO 2位の三菱自動車はどの財閥系列?

フェデラルランド 100%子会社

不動産のフェデラルランド自体は上場していませんがGTCAPの子会社です。

物件は高級路線?BGCのグランドハイアット・マニラレジデンス、セブのマルコポーロ・レジデンスなどが有名なようです。最近オープンした三越BGCはフェデラルランド、野村不動産との共同開発です。

三越、比初店舗を開業 (2022/11/21)

野村不動産、フェデラルランドと合弁企業を設立 (2022/8/10)

ついにプレオープンされた「三越BGC」に行ってみた!(2022/12/7)

PSE上場企業

GTキャピタルグループ関連のPSE上場会社は以下があります。

GTキャピタルグループのPSE上場銘柄 (2023/7末時点) 時価総額0.1B(億)ペソ単位

GTCAP(GT Capital Holdings, Inc.) 持株会社

GTキャピタルがグループの持ち株会社です。

業績は2022年から銀行が好調、2023年は自動車が好調、不動産も好調で絶好調な感じです。SimplyWallSTのFuture Growth(アナリスト予想)は1/6点と低評価なのですが、来年以降の業績はそんなに期待されていないのでしょうか?

2023/8/14発表の2Q決算で、直近12カ月EPS121.02、BPS972.08、配当3ペソ。現在の株価524ペソで計算すると、PER4.3倍、PBR0.53倍、配当利回り0.57%となります。バリュエーション的には割安に見えます。

配当利回りがショボいので、配当重視の人は投資先はGTCAPよりMBTを買った方がよいかもしれません。逆に増配余地はかなり大きいも言えます。トヨタ、フェデルランド、またMPIに間接的に投資したい人はGTCAPしか選択肢はありません。

MBT(Metropolitan Bank & Trust Company) 銀行

メトロポリタンバンクは、フィリピン第3位のメガバンクで、GTキャピタルグループの稼ぎ頭です。フィリピンの3メガバングの中ではPBRが一番低く、割安、不人気な株価推移となっています。(TODO なぜでしょう?) BDO(SM)やBPI(アヤラ)と比べると企業グループとしての巨大さが足りず、また何だか地味な感じなのでしょうか?

参考 銀行セクター#MBT

PSE(Philippine Savings Bank)は子会社です。

銀行セクター銘柄一覧 (2023/7末時点)

PSB(Philippine Savings Bank) 銀行

フィリピン・セービング・バンクもGTキャピタルグループの銀行です。1983年にMBTが買収、その後買い増しして保有比率を88%まで上げています。貯蓄銀行、モーゲージバンキング(不動産担保ローン)を主な業務としています。

関連会社で住友モーターフェイナンスの30%の株を保有しています(20%はMBT、50%は住友商事)。

MPI(Metro Pacific Investments Corporation) 投資会社 17.08%保有

メトロパシフィックは、マヌエル・V・パンギリナン氏率いる投資持ち株会社です。マニラ電力やマニラッドはじめ、さまざまな分野に投資を行っています。

参考 メトロパシフィックグループ(ファーストパシフィックグループ)

以上、GTキャピタルについて調べてみました。けっこう業績いいのに株価は冴えませんね。外国人マネーが入ってくると、割安ブルーチップなGTCAPなどがたくさん買われそうな予感がします。

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