アラネタグループ(アラネタ財閥)について調べてみました。アラネタグループの会社はPSE上場していないと思い、特に調べてなかったのですが(実際グループの主要ビジネスは上場してませんが)、いくつか関連する上場会社もあるようで、少し調べてみました。
アラネタグループとは
アラネタはアヤラと同じくスペイン系移民をルーツとした財閥、企業グループです。
ネグロスに広大な砂糖のプランテーションを所有した “アラネタ財閥” がその一つである。砂糖不況の1980年代にはその事業も縮小し、不動産事業がメインとなっており、医薬品の分野では武田薬品と提携関係にある。
…クバオ・ケソンエリアの “アラネタ”…
フィリピンの財閥と有力層(2008/1/8)
アラネタグループは様々なビジネスを行っていますが、グループのWebサイトによると、5つの主要な子会社があります。
- ACI Inc. クバオのアラネタシティの運営。アラネタコロセウムの運営。
- PPI Holdings Inc. ピザハット、タコベル、デイリークイーンのフランチャイズ運営
- Uniprom Inc. エンターテイメント。映画館のチケット販売
- Araneta Hotels Inc. ホテル。Novotel Manila Araneta、ibis Style Aranetaなどの運営。
- Progressive Development Corporation 不動産。AB(Atok Big-Wedge)やSEVN(Philippine Seven)などの上場会社への投資も。
参考
Jアマド・アラネタ
グループの創始者は、Jアマド・アラネタ(1907-1985)氏です。ネグロスで10人兄弟の4番目に生まれ、ラサール大学を卒業後、様々なビジネスに関わってきたらしいです。第二次世界大戦中は、日本からの独立運動を支援し、またロハス大統領以降、非公式アドバイザーなど政権に近いとこにいたようです(1973年、マルコス政権のときにアメリカに亡命したらしいですが、マルコス政権とは敵対関係?でも親戚関係?過去、政権と財閥の関係の歴史的な資料欲しい)。
- Wikipedia – J. Amado Araneta
現在のグループトップは、アマド氏の息子のジョージ・アラネタ(1936-)氏です。
- Wikipedia – Jorge L. Araneta
- Forbes
- Marketscreener
PSE上場会社
アラネタグループおよび上記5つの主要子会社はPSEに上場していません。ただ、アラネタグループに関連する上場会社がいくつかあります。
以下は、PSE上場企業の取締役、執行役員のうち”Araneta”という名前の人物一覧です。
Gregorio Ma. Araneta III氏がARA、およびWEBの会長、CEOを務めています。
参考 Market Screener - Gregorio Maria Araneta
以下、アラネタファミリーと関連する上場会社です。
ARA (Araneta Properties, Inc.)
アラネタプロパティーは不動産デベロッパーです。SLI(Sta. Lucia Land)?と共同で、ブラカンのColinas Verdesという住宅地を開発、運営しています。
時価総額18億の小型株で、最近の業績はイマイチ、というか赤字のようです。
アラネタグループと関連する上場企業は、関連しているのかないのか、どれくらい関連しているのか微妙な会社が多いのですが、ここは確実にアラネタグループです。取締役、執行役員にアラネタファミリーが名を連ねており、株主もアラネタ系の大株主で占められています。社名がアラネタですし。
アラネタグループの主要不動産会社はProgressive Development Corporationですが、そことは資本関係やビジネス関係があるのか不明です。
WEB (PhilWeb Corporation)
WEBはカジノゲーム機器の会社です。ARAと同じく、Gregorio Ma. Araneta IIIが会長、CEOを務めています。
以前はロベルト・オンピン氏がトップでしたが、2016年にアラネタに売却されました。
Ongpin sells PhilWeb shares to Greggy Araneta (2016/10/5)
LBC (LBC Express Holdings, Inc.)
LBCは宅急便の会社です。私も何度か利用したことがあります。
1945年にアラネタファミリーのカルロス・アラネタ氏が創業したLuzon Brokerage Companyという会社がはじまりらしいです。
現在、大株主にアラネタの名前はなく(LBC Development Corporationが85%保有でその株主にアラネタファミリーかもしれませんが)、取締役もアラネタの名前はありません。
参考
- Wikipedia – LBC Express
- Araneta family to pour in P2B to pay LBC Express debt (2021/11/9)
- LBC to buy Araneta family’s US business. (2018)
その他
- RFM(RFM Corporation): 創業者はSalvador Z. Araneta氏。参考 Wikipedia – RFM Corporation
- SEVN(Philippine Seven Corporation): アラネタグループトップのJorge L. AranetaがDirectorを務めています。もう33年目。
追記:ボンボン大統領の親戚
Gregorio Ma. Araneta III氏はボンボン・マルコス大統領の親戚です(妹Ireneの夫)。ARAとWEB(あとPRIM)は選挙で勝ったとき暴騰したらしい。
Araneta Properties, a company incorporated on June 15, 1988, is owned by Gregorio Ma. Araneta III, husband of Marcos’ sister, Irene. On Tuesday, the company’s stocks rallied 30.77% each.
Lastly, gaming technology provider PhilWeb is also owned by Araneta after buying a majority stake in the company from Roberto Ongpin, a former crony of the Marcos patriarch who served as the late dictator’s trade minister. Shares in PhilWeb surged 30.97% at the end of the trading day.
Stocks perceived to have Marcos links rally on election results (2022/5/7)
以上、アラネタグループについて調べてみました。
参考
- Wikipedia – Araneta family
- リサールの山奥から―アラネタ財閥 (2010)
- 6 Filipina executives who keep the Araneta legacy alive (2021/3/17)
コメント