ラモスグループ

企業グループ

ナショナルブックストアを経営するラモスグループについて調べてみました。

ラモスグループはフィリピン最大の本屋&文房具店、ナショナルブックストアを経営しています。事業を多角化させ、PSEには複数の鉱山会社を上場させていますが、閉鎖した鉱山株などボロ株も含まれており投機的な銘柄が多い感じです。VUL(Vulcan Industrial & Mining)を買収してナショナルブックストアを裏口上場させる計画がありましたが、残念ながら計画は中止になりました。

ラモスグループ

フィリピン最大の本屋&文房具店、ナショナルブックストアですが、お店の一角を借りてはじめて小さな本屋からはじまりました。創業者のソコロ・ラモス(Socorro Ramos)は1923年生まれで、もうすぐ100歳!のおばあちゃんです。

その双子の息子の一人アルフレッド・ラモス(Alfredo C. Ramos)が現在グループのトップで、PSE上場の複数の鉱山会社の会長やCEOを務めています。

Socorro C. Ramos: Founder National Bookstore

Wikipedia – National Book Store

アルフレッド・ラモス氏はマニラの名門アテネオ大学を卒業後、様々な事業を手掛けてきました。ネット上で伝記的な話を探してみましたが、マスコミの前に出るタイプでもないようで、伝記記事は見つかりませんでした。

Marketscreenerというサイトで、現在と過去の役職が一覧できますが、けっこうな数です。

Marketscreener – Alfred Ramos
アルフレッド・ラモス氏 Forbes – Alfredo Ramos & family より

株式投機で財を築いたというブログ記事があり、なにそれ是川銀蔵みたいでカッコイイ!と思い少し調べてみましたが、詳しい情報は見つかりませんでした。

持ち株会社を兼ねたような会社・企業を多く有し
相場師的な実業家と見られている

リサールの山奥から – アルフレッド・ラモス

1980年代後半から株式投機で名を上げてきた “アルフレッド・ラモス” はフィリピン第1位の書店チェーン「ナショナル・ブックストア」や石油掘削会社の「フィロドリル社」を始め、その他鉱物資源開発・不動産・持株会社を兼ねたような企業を多く有しており、相場師的な色合いを持つ華人実業家である。

シンキングライブ – フィリピン財閥の一覧、分かり易い!家族資本制

PSE上場会社

ナショナルブックストアは上場していませんが、ラモスグループのPSE上場会社にはAPO、AT、OV、UPM、VULがあります。(また、アルフレッド・ラモス氏が副会長を務める不動産会社にSHANGがあります)

石油や天然資源の採掘が主なビジネスの会社が多いです。SM資本も入っているATは比較的IRもちゃんとしている感じですが(規模も他より大きいのもあるのかも)、他の鉱山会社は最低限のシンプルなホームページが多く、IRにやる気は感じられません。

ラモスグループ関連会社一覧
アルフレッド・ラモス氏がDirector、OfficerのPSE上場会社一覧。(VULは買収されてChairmanも現在は交代)

Atlas Consolidated Mining and Development Corporation (AT)

鉱山会社です。主に銅や鉄鉱石を採掘しています。SMグループが34%、APO(以下)が28.6%、Alakor(ラモスグループの非公開持ち株会社)が12.4%の大株主です。

鉱業セクター AT

Mr. Stock アトラスマイニング (2013/2/26)

Anglo Philippine Holdings Corporation (APO)

天然資源、不動産、インフラなどに投資する持ち株会社です。

子会社の一覧。年次レポートより

業績はずっと不調な感じでしたが、今期は回復しているらしいです。

Anglo reverses net loss, earns P113.87 million (2021/6/1)

The Philodrill Corporation (OV)

石油やガスの探索を主にパラワン沖の海域で行っています。また、Penta Capital Investment Corporationという投資会社(よく知らない)の40%の株も保有しています。

業績は何年も赤字ですが、石油が発見された!などがあると株価何倍にもある感じの株なんでしょうか?

Wikipedia – Philodrill

United Paragon Mining Corporation (UPM)

金鉱採掘会社。採算が合わず2003年から操業停止し(金価格は戻るも停止のまま)今に至ります。鉱山は閉鎖されていて売上はゼロです。上場は継続中で、株の売買は可能です(株価は現在0.0071ペソ)。

2006年に株価が急騰していますが、これは?

Investagramsより

ちなみにUPMは、現在売買可能なPSE上場銘柄の中で一番株価(の絶対値)が低い銘柄です。

PSE上場銘柄の株価の低い方一覧

Vulcan Industrial & Mining Corporation (VUL)

石油やガスの探索を行っていた会社でしたが、2012年にアングロフィリピンが買収、2014年にナショナルブックストアが買収し、裏口上場に使われる予定でしたが、2017年に計画は白紙に戻されました。

現在採掘などのビジネスも行っておらず売上はゼロで放置されていましたが、最近、East Coast Mineral Resourcesが買収し、裏口上場に使われる予定です。

National Book Store scraps backdoor listing via Vulcan Industrial (2017/11/15)

Vulcan cumulative losses hit P1B, but parent National Book Store has no plans to liquidate firm (2020/7/15)

Mining firm acquiring Ramos shell company in backdoor listing deal (2021/7/15)

Shang Properties, Inc (SHNG)

オフィス賃貸や住宅開発を行っている不動産会社です。Shangri-La Plazaショッピングモールの運営も行っています。

大株主はTravel Aim(34.61%)とIdel Sites(30.75%)で、どちらも会長をつとめるKuok氏のKuokグループです。

ここはラモスグループが大株主ではないですが、アルフレッド・ラモス氏が副会長をつとめています。

Information Statementより

その他、参考

以上、ラモスグループについて調べてみました。グループの鉱山株は(特にアトラス以外は)鉱山株だけに山師的な・・・ちょっと手が出せない感じです。

なお、PSE上場会社ではありませんが、グループの証券会社がALAKOR SECURITIES CORPORATION(コードALAKOR、CMIC)で、この証券会社を通して(ラモスグループの中の人がたぶん)株を売買しているようです。

アイキャッチ画像は去年のニュースより

参考

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