[DFNN] 最初のPIGO銘柄

銘柄調査

オンラインカジノを運営しているDFNNについて調べてみました。

業種

DFNN, Inc. (証券シンボル DFNN)は、Instawinというブランドでインカジ(インターネットカジノ店)をフランチャイズ展開しています。

インカジとはお店に来たお客さんにインターネットを通したカジノゲームを提供するお店です。普通のカジノではお客さんは人間のディーラー相手に賭けを行いますが、インカジではカジノゲームの端末でインターネットを通して遊びます。大規模なカジノと比べるとこじんまりとしたお店が多く、ゲームカフェ、カジノ喫茶などと呼ばれることもあるようです。

日本ではお金を賭けるカジノは禁止ですが、フィリピンではカジノは合法で、PAGCORという賭博を管理する機関の認可があればカジノ店を開くことが可能です。

なおDFNNは、PSEのセクター分類ではInformation Technologyセクターに分類され、システムインテグレータと呼ばれるようなビジネスを行っていすが、現在ではInstawinなどのカジノゲーム関連が主要ビジネスとなっています。

PhilWebのインカジ免許更新停止

インカジはPhilWeb(証券シンボル WEB)のE-Gamesが以前は一強でしたが、PhilWebの元会長で大株主のロベルト・オンピン氏が汚職でドゥテルテ政権に追われ、インカジの免許の更新がPAGCORに認められませんでした。PhilWebの免許が停止している間にインカジの勢力図を塗り替えて現在はDFNNがリードしています。

参考↓

フィルウェブは、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、同社の元大株主であるロベルト・オンピン氏に狙いを定め、PAGCOR公認の電子ゲーミングカフェにギャンブルサービスを提供するためのライセンスの更新を拒否した2016年に閉鎖を余儀なくされた後、現在も回復途中にある。

 そのライセンスは、オンピン氏が53.75%の全保有株式を売却した後の2017年8月に復活したが、その後の2年間フィルウェブは73店のゲーミング店のみを運営しており、2016年の初めに同社が運営していた268店からはほど遠い数字となっている。

フィルウェブがPOGO企業と提携を協議中

合法インカジ戦争‐PHILWEB契約不更新でDFNNインスタウインに軍配

話題のオンラインカジノがセブ島JセンターモールにOPEN!実際に遊んでみた。 ←インカジの一例

コロナによる営業停止とPIGO免許

インカジで2019年まで業績は順調だったのですが(それでも赤字なのはなぜ?)、2020年のコロナでPAGCORはカジノの一時停止を命令します。

PAGCORがフィリピン国内のゲーミング営業の一時停止を全国に拡大

これによりDFNNも含めて、フィリピン中のカジノ運営会社は業績がガタ落ちになります。あわよくば年内に収束するかと思われたコロナですが長引きます。

幸か不幸かコロナでドゥテルテ政権のカジノに対する姿勢が変化します。以前はカジノダメ!絶対!という感じだったのですが(特にPOGO免許停止については中国の圧力で)、税収が足りないし、雇用も足りないし経済まわすためにはカジノも止む無しというスタンスに変わってきました。

カジノの実店舗が閉店しているが、依然コロナは収束しないという状況に対応するために、フィリピン人がカジノ店に足を運ばなくても、スマフォやパソコンなどからオンラインでカジノを遊べる仕組みが認められることになりました。

なお、この仕組みは外国人に対しては元々ある仕組みで、 POGO(Philippine Offshore Gaming Operator)と呼ばれています。コロナ後に新たに導入されたフィリピン人向けのオンラインカジノはPIGO(Philippine Inland Game Operator)と呼ばれます。

DFNN はフィリピンで一番目にPAGCORのPIGO免許を取得し、InPlay.phというWebサイトでオンラインカジノを提供しています。

InPlay.ph

売り上げは順調なようで、2Qプレスリリースによると、1Qが13.9M(Million)ペソ、2Qが99.9Mペソ(1Qの8倍)、上半期で計113.9Mの売上となっています。ただし、DFNN全体の売上268.9Mの12.63%にとどまり、DFNN全体の業績は依然赤字です。

なお、ソレアリゾート、リゾートワールド、オカダ マニラなどの大手IRもPIGO免許を取得しています。また、先日メガスポーツワールドがスポーツベッティングの免許を取得しました。

その他の事業

DFNNはインカジ事業が主力で、Inter-active Entertainment Solutions (IEST)という子会社でこのインカジ事業を行っています。IESTが保有するInstawinおよび、スポーツベッティングを行うXchangebetのライセンスは2033年まで有効です。

年次レポートより。DFNNの子会社

子会社のiWave ( http://www.iwave.com.ph/ )は、銀行など金融系のシステム開発に関わっている会社で、もともとiWaveは日本のインテリジェントウェイブ(東証 4847)のマニラ窓口として設立されました会社です。取締役に日本人がいて日系企業に関連が深いようです。

iWaveは、最近Global Trade Xというデジタル資産の取引所立ち上げました。これはバターン自由港経済特区(Authority of the Freeport Area of Bataan : AFAB)という経済特区で立ち上げた、フィリピン人以外が利用できる取引所とのことです。

https://www.globaltradex.com/

パッと見、BinanceやBitflyerのような仮想通貨の取引所のように見えますが・・・とりあえずプラットホームは作ったけど、面白いサービスを誰か作ってくれるの待ちな感じなのでしょうか?よくわからないですが、仮想通貨取引所を持っているなんてDFNNはフィンテック銘柄と言えますね。

iWaveはカガヤン経済特区(Cagayan Economic Zone Authority : CEZA)の方のライセンスも持っていて、日本のトレイダーズ証券(JASDAQ:8706)なども出資して(2018年)ましたが、カガヤンの方は投資詐欺で混乱(2019年)があったり、その後どうなったのでしょうか。

カガヤンとバターンの経済特区参考→ JETRO – 投資促進機関

なお、iWaveは現在、売上の9割が日系企業かららしいです。

Almost ninety percent (90%) of iWave’s revenues are derived from offshore clients, particularly those of Japanese clientele which engages iWave on a Business Process Outsourcing basis.

DFNN 年次レポートより

企業規模と株主構成

時価総額は約12億ペソ(約26億円)で、超小型株です。

以下はゲーミングセクター、カジノ関連銘柄の中でのDFNNの規模感です。

ゲーミングセクター、カジノ関連株とDFNN。単位は億ペソ(株価はペソ)

直近のPORを見ると、会長のラモン・ガルシア(Ramon C. Garcia, Jr.)氏と、 ディレクターのJean Henri D. Lhuillier氏が約5%持っている他に大きな株主がいないように見えます。ちなみにCEOのCalvin Lim氏はマレーシア人で、ゲーミングIT事業のエキスパートらしいです。

POR 6/13の株主状況
DFNNのWebサイトより

で、大きな株主がPORには書いてなくてInformation Statementには記述がありますが、6/30時点の株主リスト100のPCDリストを見ると、Diversified Securities, Inc.が約50%の株券を保有しています。

株主リスト100より

Diversified Securities (証券会社エイリアス DVRSFIED)はDFNN会長のラモン・ガルシア氏が社長で代理人(Nominee)(?)らしいですが、ラモン氏と仲間たちが株を50%押さえているのでしょうか?どっか解説書いてたかな?

株価推移

株価はけっこう乱高下しています。株価材料になるニュースがちょくちょく出て、株価も動きます。

Investagramsより
ニュース
$DFNN soars on new license (12/9)
‘Di lang si Musk! Masayoshi Son…(2/13)→→Clarification of News Reports (2/15)
$DFNN e-sabong. Impulsive catalyst (5/6)→ Clarification of News Reports (5/12)

以上、DFNNについて調べてみました。

日本株ではない業種のカジノ銘柄に投資してみるのも面白いかもしれません。DFNNは小型株の割にはちょくちょくニュースも出て注目している人も多く話題に上ります。

なお、数日前までDFNNやInstawinというものさえ知らなかった私が、少し調べて書いただけの記事なので、何か間違ってたらごめんなさい。

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