ハーバースターの2022年度決算が開示(4/20 木お昼ごろ)されたので見てみました。

目立ったのが、EPSがほぼゼロ。3Q時点ではEPS0.46で、4億ペソほどの純利益だったのだが、3カ月後の年間決算では利益が消えてしまってます。
にもかかわらずBPSは1.39→1.98(+0.59ペソ)と資産が急増しています。
これはどういうマジック?とAnnual Reportを見てみると、利益が消えたのは、太陽光発電ののれん代やタグボートの減損を一括計上したため。またBPSが増えたのはタグボートの資産再評価をしたためらしいです。
EPS 消えた4億ペソ
PLを見ると、4Qで利益が消えてしまったのは、3Q決算では計上されていない以下の3点が主要な原因のようです。この3つで合計約-3.9億ペソほどのマイナスになっています。

Net impairement losses on financial assets -111,382,619
内訳にProvision for impairment of trade and other receivablesと書いてあり、貸倒引当金にあたるものだと思います。これは毎年1億ペソほど充てているし、まぁ必要経費なのでしょうか?1億ペソは大きすぎ?

“Provision for impairment of trade and other receivables”(売掛金およびその他の受取債権の減損引当金)は、企業が売掛金やその他の受取債権の回収が困難になると予想される場合に、その損失を見込んで設定される引当金のことを指します。
by ChatGPT4
impairment loss on goodwill -154,207,159
これは太陽光発電のADGI(Astronergy Development Gensan Inc.)のgoodwill(のれん代)、1.5億ペソ一括で全額減損処理しています。
“Impairment loss on goodwill”(のれんの減損損失)は、企業がM&A(合併・買収)や事業統合の際に発生するのれんの価値が、将来的に回収できる額を下回ることを示す会計上の損失です。
by ChatGPT4
Other income(loss), net -121,952,029
この、その他という項目ですが、内訳をみるとタグボードの減損処理 8千万ペソが大部分を占めているようです。去年まではタグボードの減損処理はしてないですが・・・

以上3点が、EPSがゼロになってしまった理由です。貸倒引当金は予想できた額のようですが、のれん代やタグボートの減損はサプライズなのではないでしょうか。
あと、疑問だったのが salvageの利益が3Qのときより年次で少なくなっているのが、何なのか不明です・・・
増えた資産
タグボードの再評価した結果、資産が521.7million(約5.2億)ペソ増えたらしいです。3~5年おきに再評価を行っているらしいです。
BSを見ると、Property and equipment at revalued amonunts, net で5億ペソちょい増えているのが分かります。
また、 Goodwillが2022年はゼロになっているのがわかります(上記、のれん代一括償却の影響)。

資産が5億ペソ増えた分か、負債ではShort-term loans(短期借入金)ががっつり5億ペソ分ほど減っています(でも、他の項目が増えて、トータルで負債は減っていない)。
上記やや恣意的な会計処理のキャッシュフロー計算書への影響乗り方も見てみようかと思いましたが、何だかよくわからなかったのでやめました。
以上、EPSがゼロになったのと、BPSが増えた理由について調べてみました。よくわかってない決算書をがんばって読んで疲れました。利益ほぼゼロだと復配はなさそうですね。2023年はサルベージなしで黒字維持できるのでしょうか・・・
あと改めて借金の多い会社だと思いました。時価総額9億の会社がトータル38億の借り入れで、毎年利子だけで2億ペソ支払い。ただ、SimplyWallSTを見ると、決算またいで10000%割高から60%割安評価に変わっています。

コメント