[COL] 未だ証券口座普及率1.3%

銘柄調査

調べて気になった銘柄をまとめてみます。COLから。

ポイント

  • 人口比1.3%しか証券口座開設してない→相当伸びしろあり
  • フィリピンで口座数、売買代金シェアトップ
  • 空売り解禁に伴うテーマ性

業種

COL Financial (ティッカー COL) はオンライン証券会社で、アカウント数、売買代金シェアでフィリピントップ級の証券会社です(売買代金シェアはたまに順位が上下します)。日本の大和証券が出資しています。香港に子会社がありますが、売上はそれほど大きくはありません。2021年1月に1:0.1の株式分割をしており、時価総額やバリュエーション評価で少し混乱しました。

COL Financial – Investor Relations

業績推移

売上、収入、資産の推移は以下のようになっています。売上、利益とも増加基調です。2019年に手数料収入が落ちて売り上げが減っています(理由は私の調査能力では今のところ不明です)。赤字の年はなく、資産は順調に積みあがってます。

配当、バリュエーション

以下は一株あたりのEPS、BPS、配当の推移です。配当は利益連動ぽいです。基本的には上昇基調だと思いますが、年によって浮き沈みはありそうです。

今の株価の4.35ペソを元に計算すると

PERは48.8倍、PBRは66.9倍、配当利回りは1.49%となります。バリュエーション的には割高だと思います。2021年1月に分割していることに注意してください(上のグラフは分割考慮後の数字です)。最初10分割を考慮に入れず計算してて、まだまだ安いネ!と思ってました、、、

企業規模と株主構成

時価総額は約210億ペソ(460億円)で、中小型株です。PSEの時価総額ランキングでは上から88位ぐらいです。もう少し時価総額が増えればいろいろな指数に組み入れられる可能性もあります。

浮動株比率は24.56%です。株主のトップ、13%保有のLEE, EDWARD K さんは創業者です。33位の10株保有のHOKUSHIN, KIDOさんはぐぐってみると大和証券の人のようです。そういえば、大和証券が15%株を保有しているはずなのですが、名前がありません(多分PCD NOMINEEのNon-Filipinoの中?)。

List of Top 100 Stockholders (Common Shares)より

顧客数、シェアは順調に増加

 アカウント数やシェアは順調に推移しています。1QはPSEの売買代金、取引数とも証券会社トップだったようです。

COLの2021/1Qプレゼン資料より

 なお、PSEの調査によると、フィリピン人の開設している証券口座数は2020年時点で137万口座しかありません。フィリピンの人口は現在1億人ちょいなので、これは人口比のパーセントで言うと1.3%程度の人しかまだ口座を作ってないことになります。証券口座数は年々伸びているそうです。これから人口も一人当たりGDPも伸びていくことが確実と言われているフィリピンで、証券口座数の伸びの余地は相当あるでしょう。

STOCK MARKET INVESTOR PROFILE 2020より

 なお、証券会社の売上のほとんどは、顧客の株式売買による手数料収入ですが、法律で手数料下限が売買代金の0.25%と決まっています。これはオンライン証券会社としてはかなりおいしい手数料となってます(法律で守られている高めの手数料を維持できる)。一方、高い手数料と、さらに株式売却時にかかる0.6%の株式取引税という重い売買コストは顧客の短期売買意欲をそぎ、結果的にトータルでの手数料収入が伸び悩む要因になっているとも思います。

 あと、関連ニュースとして、近々信用取引の空売りが解禁されるらしいですが、それにともなってCOLが市場で注目されるかもしれません。

株価推移

株価は2020年6月ごろの1.5ペソ(分割調整済み)から急騰しており、1年で株価が3倍になっています。将来の口座数増加を考えると長期的に業績は期待できると思いますが、1年で3倍になるような材料、カタリストが何かあったのかよくわかりません。

Investagramsより

まとめ

以上、COLをまとめてみました。市場シェア、将来の証券口座増加を考えると、長期的な業績はかなり有望だと思いますが、直近かなり株価が上昇しています。1年前に株をはじめていれば1/3の値段で買えたかと思うと残念です。

順調に口座数が伸びているのに2019年に手数料収入が減ったり、2020年6月からモリモリ買われている理由がよくわからないですが、何かわかったらまた追記します。

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