ロビンソンズ・リテール・ホールディングス(Robinsons Retail Holdings, Inc. 証券シンボルRRHI)について調べてみました。
ポイント
- JGサミットグループの小売り会社、スーパー、デパート、ドラッグストア、コンビニその他専門店を運営
- 本業は順調
- 株主構成が他のグループ会社と異なる。JGサミットは大株主でなくゴコウェイファミリーが大株主。また、香港のDFIグループが24%を保有する大株主
事業内容
ロビンソンズ・リテールはJGサミットグループの小売り会社で、デパート、スーパーマーケット、ドラッグストア、DIYストア、その他専門店を運営しています。
ロビンソンスーパーマーケット、デパートをはじめ、コンビニのUncle John’s(旧ミニストップ)、ドラッグストアのSouthstar Durg、100円ショップのDAISOなどもロビンソンリテール傘下です。
利益はスーパーマーケットが大きく、利益(売上も)の過半数をスーパーマーケット事業で稼いでいます。次に利益が大きいのがドラッグストア事業で成長中です。ドラッグストアはSouthstar Drug、Generics Pharmacy(ロンソンリテール持ち分51%)、Rose Pharmacyがロビンソンリテール傘下です。
バリューエーション
2022年間決算によるとEPSは3.93、BPSは48.97です。直近年間配当は2ペソとなっています。現在の株価51.6ペソで計算するとPER13.1倍、PBR1.05、配当利回り3.8%となります。
2023 2Q決算
2Qは最終利益で-20%ほどの減益になっています。
本業の利益は+6%ほどでした。
減益の理由は、以下らしいです。
The company’s first-half attributable net income also dropped by 34.3% to P1.8 billion from P2.74 billion the prior year due to higher forex losses and equitized losses from associates.
“The interest expense from the acquisition financing of the Bank of the Philippine Islands (BPI) shares which were acquired earlier this year was fully offset by the dividend income from the BPI shares,” the company said.
Robinsons Retail records 19% fall in Q2 income (2023/7/28)
まず、interest expenseがけっこうマイナスになっていますが、これは2023年頭にBPIの株を取得したときの借入金の金利(たぶん？)らしく、BPIからの配当と差し引きゼロになるぐらいのもので、この部分は無視してよさそうです。
で、forex lossとequitized losssというのがマイナスの主因のようです。forex lossはドル建て債券の影響？equitized loss(equity in net earnings in associates)の方は何かよくわからないです・・・
連続無減配
配当利回りは3.8%でそれほど高配当というわけではないのですが(配当性向もすでに60%で利益が上がらないとこれ以上の増配も期待はできない)、配当実績を見ると2015年から一度も減配してない連続無配当銘柄です。
一部の配当大好き投資家には好まれる配当実績です。また、自社株買いも実施しており株主還元にも積極的なイメージがあります。
時価総額と株価チャート
時価総額は約76B(760億)ペソです。PSEiには現在採用されていませんが(2022/2除外)、将来株価が上がったら、再び採用の可能性はあります。
株価は軟調。2020年以降の安値付近の水準にあります。
資本構成
大株主は、33.4%保有するJE Holdings, Inc.はゴコウェイファミリーの会社です。James Go、Lance Gokongwei、Robina Gokongweiの持ち株と合わせて、ゴコウェイファミリーで約48%の株を保有しています。
21.44%を保有するGCH Investments は香港のDFI Retail Group(旧 Dairy Farm International Holdings)傘下の会社です。
21.44%を保有するGCH Investments(旧 Dairy Farm International)は、香港のDFIグループの会社(法的所在地はシンガポールとバミューダ)で、ロビンソンリテールと業務資本提携をしています。DFIグループからルスタンスーパー(フィリピンの高級スーパー)の株を取得し、ルスタンスーパーはRRHI傘下になったようです。
なお、RRHIは他のゴコウェイファミリーの上場会社(JGサミットグループの会社)と異なり、JGSの傘下でない株主構成となっています。
子会社一覧図
なお、子会社一覧マップは以下のようになっています。ドラッグストアはSouth Star Drug傘下に他のブランドのドラッグストアが配置されているようです。
その他
以上、ロビンソン・リテールについて調べてみました。
業績は着実に伸びている(営業外の損失が謎、理解できてませんが)のに、株価は軟調。どこかで株価が反転する時がくると思います。配当利回りも4%台に近づいてきてここから買い下がっていくのもあり？
参考
- Robinsons Retail: A Leading Player In The Under-Penetrated Philippines Retail Industry (2017/2/14) 誰かの分析
- 日興AM 組み入れ銘柄紹介 – ロビンソンズ・リテール・ホールディングス (2018/1/23) 日本語銘柄紹介
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