建設資材メーカーのPHNについて調べてみました。
ポイント
- 建設資材セクターと教育セクターで利益をかせいでいる
- 複数のインサイダーが自社株を買っている
業種
フィンマコーポレーション(Phinma Corporation、証券シンボル PHN) はPSEのセクター分類では Construction, Infra. & Allied Services で、建設資材メーカーです。屋根資材や壁パネルなどの鉄製品、セメントが主な商品です。
そのほかに、教育(大学)、不動産、ホテルなどにも投資しており、幅広いビジネスを行っています。
以下は子会社の一覧です。鉄製品のUnion Galvasteel、セメントのPhilCement、教育のPHINMA Education(ここを通して各大学に投資)などがあります。
以前はPhinma Energy(PHEN)というPSE上場の再生可能エネルギーの子会社があったそうですが、2019年にアヤラグループに売却されました。PHENはACENに名前を変えてアヤラグループの再生可能エネルギー会社として裏口上場されました。
Financial Adviser: 5 Things to Know About the Backdoor Listing of AC Energy and How to Profit From It (2019/10/29)
AC Energy inks $115.63m acquisition deal for PHINMA Energy (2019)
業績
ここ5年ぐらいの業績を見ると、売り上げは増加傾向です。
利益は2020年前まであまりパッとしませんでしたが、直近四半期レポートでかなり業績が伸びています。
上半期業績のセクターの内訳をみると、建設資材セクターと教育セクターの売り上げが前年比でそれぞれ1.5倍になっています。利益では建設資材セクターで2倍、教育セクターは黒字転換でけっこう大きな額になっています。PHNは様々なビジネスに手を出していますが、この建設資材と教育セクターでほとんどの利益を稼いでいます。
建築資材セクターでは、鉄製品とセメントが大きな割合をしています。2019→2020で鉄製品の売り上げは減少していますが、セメントの売上の伸びが2倍となっていて、鉄製品の減少分を補って余りあります。
配当、バリュエーション
配当は2009年から毎年0.4ペソずつ固定で出しています。
直近12カ月のEPSが2.11、BPSが25.06、現在の株価14.42ペソで計算すると、PERが6.83、BPSが0.57、配当利回りは2.77%となります。
参考までに、PSEのセクター分類で、Construction, Infra. & Allied ServicesとEducationセクターの銘柄の一覧です(バリュエーションは2020年次データから)。
EAGLE、HLCM、CHPも建設セクターのセメント銘柄で業績好調です(例えばサンミゲルグループのEAGLEは四半期業績で売上前期比+317%、利益+971%)。
PHNは2020年も売り上げ+9%、利益-2%と、建設セクターの中でもコロナ耐性がありますね
企業規模と株主構成
時価総額は39億ペソ(約85億円)で小型株です。
大株主は63%を保有する非上場会社のPhinma, Inc (Phil. Investment Mgmt., Inc.)で、PHN会長のOscar J. Hilado氏が同じくこの会社の会長です。 PSE上場会社では、Hilado氏は他にANS、PX、ROCK、ROXの取締役にもなっています。
また、副会長でCEOのRamon R. del Rosario, Jr.氏ですが、Rosario氏はBPIの取締役でもあります。
最近、インサイダー買いが多く、複数の取締役、大株主の買いが入っています。というか多量のインサイダー買いを見て、私はこの銘柄を知りました。複数のインサイダーが身銭を切って自社株を買っているのは強気のサインです。
株価推移
以下は最近10年のチャートです。株価は昨年の9ペソ付近から50%上げています。需給的にはやや過熱感があるかもしれません。板も薄く、大きな売りがあるとけっこう下げる可能性があるのはリスクです。
以上PHNについて調べてみました。ビルドビルドビルド政策もあり、建設セクターは今度も業績好調でだと思います。PHNは教育事業も手掛けていて、そちらの伸びも興味深いです。
アイキャッチ画像は子会社ホームページから拝借しました。
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