ラゾングループ

企業グループ

フィリピンの企業グループの一つ、ラソングループについて調べてみました。

ラゾングループとは

ラゾン(Razon)グループは、フィリピンの実業家、エンリケ・ラゾン (Enrique K. Razon Jr.) 氏の率いる企業グループです。1930年にマニラ港で事業を始めたのが起源で、その3代目がエンリケ・ラソン氏です。

スペインからフィリピンに移住した現在の当主 Enrique K. Razon Jr (3代目)の祖父が1930年代にマニラの港で荷物の積み込み業を始めたのが起源である。その事業を現当主の父が引き継いで、1987年International Container Terminal Services Inc(ICTSI)を設立、フィリピンの主要港で港湾を運営している。Enrique K. Razon Jrが当主となってからは、ICTSIは世界各地に進出し、18ヵ国で32のターミナルを運営している。現在では不動産事業にも進出…

フィリピンにおける梶産業の現状および今後の動向についての調査 より

2020年forbes長者番付ではフィリピン第2位の資産家となっています。

ANC Newsより

補足、追記:ラゾン or ラソン?

Razonの発音は、ランよりランの方が正しい発音に違いようです。スペイン語由来の名前はRazonはラスォンと発音するようです。”エンリケ ラゾン”でググると、グーグルにもしかして”ラソン”と言われてしまいます。無声音の[θ]の発音([ð]でも[s]でも[z]でもない)。本人はラソンと名乗ってるように聞こえます(参考)。まぁカタカナ表記だとラゾンと書いてる記事も多いし、タガログ読みなのかラゾンと言ってる人もいるしこの記事ではラゾンのままおいておきます。

PSE上場会社

PSEに上場しているグループ会社には、フィリピン最大の湾岸運営会社のICT(International Container Terminal Services, Inc.)、カジノリゾートのBLOOM(Bloomberry Resorts Corporation)、そして最近アヤラグループから買収したMWC(Manila Water Company, Inc.)があります。ICTとBLOOMはPSEi採用銘柄でもあります。

資本関係は以下のようになります(不明点が多いのですがたぶんこんな感じ)。

International Container Terminal Services, Inc. (ICT)

ICTはフィリピン最大の湾港運営会社(ターミナルオペレータ)です。マニラ北港、スービック他、フィリピン各地の湾岸運営を行っています。フィリピン以外でもアジア、ヨーロッパ、アフリカ、南アメリカなどの湾岸運営も行っている世界的湾岸運営会社(メガターミナルオペレーター)です。

ICT – OurTerminals より

株主構成では、ラゾン氏がCEOのBravo International Port IncやPrefered B voting share(議決権あり優先株B)など含めて、議決権ベースで61.52%をラゾン氏が保有しています。

Bloomberry Resorts Corporation(BLOOM)

BLOOMはリゾートホテルやカジノを運営しています。主な施設には、マニラのソレアと韓国の済州(チェジュ)のリゾートカジノホテルがあります。

BLOOM – Our Properties

日本進出も狙っていたようですが、和歌山マリーナシティー案からは撤退(?)したみたいです。

Manila Water Company, Inc.(MWC)

MWCはマニラの上下水道を管理しています。マニラの水道事業は東西に分け1997年に民営化され、東側を担当したのがマニラウォーターです(西側はマニラッド)。近年長期断水などもありドゥテルテさんに叩かれたりもしてましたが、2020年にラゾングループがアヤラグループから買収しました。

資本関係が何だか複雑で私には理解が難しいのですが、以下のサイトによると議決権ベースではラゾン氏が51%を保有とのことです。

With the entry of Mr. Razon, Trident Water now has 51% voting interest in Manila Water while its economic stake is at 25%.

BusinessWorld より

トライデント・ウオーターはMWCIの発行済み株式のうち25%を取得する。さらに、MWCIの議決権株式を持つアヤラ子会社から代理権を取得することで合意しており、MWCIの議決権の51%を保有することになる。

NNA Asia より

なお、ラゾングループはPrimeInfra(Prime Infrastructure Holdings Corp. )という持ち株会社(非上場)を通して、水道以外のインフラ事業にも注力しています。

PrimeInfra – Portofolio より

(資本関係的にはPrime Strategic→ Prime Infrastructure →Trident Water→Manila Waterなのかな?不明)

その他参考

以上、ラゾングループについてまとめてみました。持ち株会社が複数入ってたり、議決権つき優先株などがあったり、フィリピン株の資本関係って何だか複雑です。

参考

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