セブの不動産デベロッパー、CLIについて調べてみました。
ポイント
- PER 5.75倍
- 2021年に123%の現物配当実施
業種
Cebu Landmasters (ティッカー CLI) はセブに拠点を置く不動産デベロッパーです。
セブを中心としたビサヤ、ミンダナオで住宅、オフィスなどの開発、販売、リースを行っています。社名を直訳するとセブの大家さん。2003年設立、2017年上場。
創業者でCEOの ホセ・ソベラノ(Jose R. Soberano III) 氏はアヤラ出身で、20年以上働いた経験をもとに独立してCLIを立ち上げました。セブのITパークは、アヤラ時代に関わった仕事らしいです。
CLIのWebサイトに役員一覧の写真がありますが、上場会社ですがファミリービジネスではありますね。
業績推移
業績は順調で、年々売上、利益を伸ばしています。ただし2020年はコロナの影響で減収、減益となっています。
配当、バリュエーション
利益は順調に伸びているのでEPSやBPSも右肩上がりです。配当も出しており2018年以降は右肩上がりです。上場前の2017年以前も配当はあったようです(2018年の年次レポートに記載はあり)が、ややこしそうだったので省略します。
あと面白いのが、2021年5月に123%の現物配当を行っています。これ以降、発行済み株数が大幅に増加してるので、配当前に算出されているEPSなどの数値と比較する場合は(株数増加前の数字なのか後の数字なのか)注意が必要です。
今の株価3.07ペソを基準に計算すると、現物配当123%分を調整して、
PERが5.75、PBRが1.23、配当利回りが3.65%となります。バリュエーションではCLIは割安な方だと思います。この数字は停滞してた2020年の業績に対しての数字なので、今後もっといい数字が期待できるかもしれませんし。
セクター比較
不動産セクター比較の中でもPER5.75は割安な方です。
以下はPSE上場の不動産セクターの一覧を売上高の大きい順に並べたものですが、CLIは売上で12番手となっています(各社の数字はPSE EDGEから取得)。そしてPERで見ると2.53でダントツに安い!と思ったのですが、これは現物配当が考慮されてない数字でした。でも、現物配当分考慮してまだ割安です。
企業規模と株主構成
時価総額は100憶ペソ(約220億円)で、小型株です。
浮動株比率は23%とそこそこですが、時価総額が小さい割にはPSE市場での取引は比較的活発に行われていました(最近数日見た感じでは)。
株主構成では、POR(Public Ownership Report)を見ると、67%をCEOのソベラノ氏と親族が所有しています。創業者CEOが多数の株を保有しているのは基本的にはよいことだと思います(経営者と株主の間で利益相反が起きにくい)。
株価推移
長期チャートで見ると、株価は昨年から1.5倍になっており、やや過熱感があるかもしれません。
また、123%の現物配当前後で投機的な買いなのか大きく株価が上下しています。
なお、この↑のInvestagramsのチャートは現物配当が考慮された過去の株価が調整されたチャートになっていますが、PSE EDGEのチャート(↓)では現物配当調整はないそのままの株価のチャートとなっています。
まとめ
以上、CLIについてまとめてみました。不動産セクターの特性(どういう特徴があって何を注意してみるべき)とか正直よくわかってないのですが、とりあえずPERが安いというところに注目してみました。あと、123%配当のような面白いこと(?)をして楽しませてくれる期待感があります。
なお、ABキャピタル証券のレポート(2021/5/28)でCLIが取り上げられていました。AB証券に口座をお持ちの方はRESEARCH→COMPANY RESEARCHから閲覧することができます。
参考
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