ビスタモールについて調べてみました。
ポイント
- ショッピングモール(Vistamall、Starmall)とBPO向けオフィス賃貸
- 旧社名Starmall(STR)
- 流動性薄、実質浮動株0.5%
- 2022年上場のVREITのスポンサーの一社
- 開示が積極的でない感
事業内容
ビスタモール(Vistamall、旧Starmall、 証券シンボル STR)は不動産会社で、ショッピングモールとオフィス賃貸を行っています。ビリヤールグループで、ビスタランド(VLL)の子会社です。以前の社名はStarmallだったのですが、2019年にVistamallに社名変更になりました。
ショッピングモールはVistamallとStarmallという2つの名前のショッピングモールを運営しています。(順次StarmallはVistamallに変更しているようで?)数が多いのはVistamallで、Starmallはアラバンなど一部店舗のみが残っています。
ショッピングモールは、土地や建物を保有しテナントに貸して家賃を得るというビジネスで、テナントはビリヤールグループの小売り(AllHome、DallDayなど)のテナントが多そうです。
オフィスは主にBPO向けのようです。決算資料にセグメント情報がなく、ショッピングモールとオフィス賃貸のどちらの利益が大きいのかも不明です。VREITの各物件ごとの評価資産、家賃収入まで開示されているのに比べると開示情報は雲泥の差です。
Wikipedia – Vistamall
Wikipedia – Starmall
バリュエーション
2022年の年間決算によると、EPSは0.99、BPSは4.34です。直近配当は0.0262ペソでした。現在の株価2.3ペソで計算するとPER2.3倍、PBR0.52倍、配当利回り1.1%となります。
なお、2022年はVREITのIPOの一時利益が大きく、EPS0.99は2022年だけの利益です(shareswapでいくつかのモールをVREITに売却、VREITの大株主になって、IPO時に公募売り出しした分の利益)。平常運転では2023 1Qの12カ月EPS0.54ぐらいの利益水準と思います(それでもPER4.2倍でけっこうお値打ち?)。
あと、2022年の特殊要因としてアラバンのStarmallでの火災(2022/1)による営業停止と、それによる保険料収入があるようです。
配当は一応出ているのですが、利益の割にかなり小さいです。配当より投資に回している(新しいモールをどんどん建設中)?
資本構成
Vistamall(STR)の親会社はVista Land(VLL)で、88.34%の株を保有しています。
またMasterpiece Asia と Manuela Corporationという2つの子会社があります。2022年にVREITを組成し、何軒かのショッピングモールをREITに組み込みました。
実質流通株0.5%
トップ株主100を見ると、ビリヤールグループのVista Landが88.34%、Fine Propertiesが1.36%、あわせて89.7%、上場維持基準ぎりぎりのほぼ90%を保有しています。その他にLand and Houses Public Company(タイの不動産系投資会社?)が9.59%保有していて、市場に流通している株は実質0.5%ほどしかない感じです。
payable to VLLI
年間レポートを見ていてふと気になったのが、負債の中にPayable to VLLIが32B(320臆)ペソあります。親会社のVLLI(=VLL)に対する負債という勘定項目なのですが、私の現在の能力では理解が難しいです。
株価チャート
株価はここ数年軟調です。コロナで急落した後もヨコヨコ値下がり中です。
ただ、ビリヤールグループの株(VLL、HOME、ALLDY)はここ数年半値以上に下げている株も多く、それに比べると小幅な下げかもしれません・・・
その他
以上、ビスタモールについて調べてみました。会計上は着実に利益が出ていて、割安に見えますが、開示がざっくりで何かモヤモヤする株です。
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