[FPH]ファースト・フィリピン・ホールディングス

FPHについて調べてみました。

First Philippine Holdings Corporation(銘柄シンボルFPH)は、ロペスグループの持ち株会社です。

PERやBPSを見るとえらく割安じゃないですか？と思って調べてみました。

事業内容
バリュエーション
時価総額
資本構成
ロペスディスカウント？
株価推移
まとめ

事業内容

事業内容は、発電、不動産、製造業、建設などです。

発電部門の上場子会社はFGEN、不動産部門の上場子会社はROCKです。

売り上げ、利益の8割以上は発電部門(Sales of electricity)が占めており、現状、子会社のFGENの業績≒FPHの業績になっています。

バリュエーション

直近の四半期業績開示ではEPS23.04、BPS286.35となっています。現在の株価62.95ペソで計算すると、PER2.73倍、PBR0.21倍となっています。配当は昨年2021年の2.2ペソで計算すると配当利回り3.49%となります。

財務状況については、Simplywall.stのFinancial Healthのスコアでは6/6で財務は盤石のようです。

時価総額

FPHの時価総額は約285億ペソです(11/11時点)で、そこそこの時価総額の中型株です。以下は電力セクターの銘柄リストを時価総額順に並べたものです。

なお子会社のFGENは時価総額549億ペソで、FPHよりFGENの方が時価総額は大きくなっています。FGENは以前はPSEi採用銘柄でしたが、浮動株比率の条件で除外されました。

資本構成

FPHの親会社はLPZ(ロペスホールディングです、PSE上場)です。LPZがFPHの株券の54.44%を保有しています。放送局のABS-CBNもロペスグループですが、FPHとは資本関係はありません。

FPHの子会社は以下のようになっています。子会社のうち、PSE上場銘柄では、発電部門の上場子会社はFGEN(67.84%保有)、不動産部門の上場子会社はROCKです。

ロペスグループの資本関係については、書籍のASEAN企業地図が分かりやすいです。以下リンクからネット上でロペスグループのページの画像が見れます(なお、FGENの子会社の地熱発電のEDCは上場廃止になっています)。

参考　ASEAN企業地図第2版 / GSR株式会社

ロペスディスカウント？

ロペスグループは現政権と仲が悪いです。

前ドゥテルテ大統領の選挙では、ロペスグループの放送局ABS-CBNがドゥテルテ陣営の選挙広告を拒否して、対立候補に肩入れしました。その報復かABS-CBNは法則局の免許の更新ができませんでした。

ドゥテルテ大統領は、ロペス家にとっての宿敵であるマルコス家と懇意にしており、マルコスの息子であるボンボン・マルコスを副大統領に就けようとしました。

ロペス財閥にとってこれは、見過ごすことのできない大事件です。ロペス財閥がアキノ前大統領の自由党を応援し、反ドゥテルテ大統領に向けた世論を構築しようと図るのは、むしろ当然のことといえるでしょう。
ロペス財団VSマルコスから見る、フィリピン麻薬撲滅戦争の今後の行方

そして現ボンボン大統領とは親の仇同士のような関係です。

現政権と対立していることがどの程度ビジネスに支障なのかはよくわかりませんが、業績や株価にマイナスなのは間違いないでしょう。

株価推移

最近の株価推移をみると下がり続けています。

ただし、1990年などと比較すると株価は10倍以上にはなっています。

まとめ

以上、FPHについて調べてみました。

2019年以降売り上げを急激に伸ばしているACENなどと比べると業績、売上の伸びなどは見劣りするかもしれませんが、財務は健全でなぜにここまで安いのか(PER3倍以下とか)？よくわかりません。ロペスディスカウントだけで説明ができない、何か見落としているような気もします・・・

なお、子会社のFGENも割安です。投資するならFPHとFGENどちらがいいか考えてみたのですが、より割安なのはFPHの方です。以下はFPHとFGENを比較した表です。FPHとはFGENを0.675倍(FPHの持ち分67.85%)したものを比較したものですが、比べてみてもFPHが割安です(と書いてみて自分で何言ってるかわからなくなってきました・・・まぁいいか)。