ABAについて調べてみました。
情報は主に以下の年間レポートから得ました。
Annual Report → aba_17-A_2022.pdf
ポイント
- 2021、2022年の(会計上の)利益のほとんどは土地の再評価益増によるもの
- オーナーはバタンガス州知事ヘルミランド・マンダナス?(不明)
- 前CEO、レジーナ・レイエスは2022年5月に逝去、現在の経営トップはラウル・デ・メサ
- 株価が2020年から5倍、ここ1年の証券会社手口ではREGINA(Regina Capital)の一人舞台
事業内容
アバコア・キャピタル(AbaCore Capital Holdings, Inc. 証券シンボルABA)は持ち株会社です。
金融サービス、不動産、鉱山(金、石炭)、ゲーム機器のレンタルなどに投資しています。
金融サービスのPRIDEはby the way of introduction形式での上場を予定しています。2022/6/23を権利落ち日として現物配当が実施されています。
ゲーム機器というのは上場会社LOTOへの投資で4.89%の株券を保有しています。
セグメント情報は年間レポートに記載はされているのですが、分け方がholding、real estate、othersとざっくりすぎな上に、数字のブレが大きすぎて、どの部門の売上、利益が大きいのかよくわかりませんでした。
2021年、2022年の(会計上の)利益の大部分は、土地の評価益増が主因のようです。また、一部の土地を売却しての実現益も発生しています。



バリューエーション
2022年の年間レポートによると、EPSは0.46ペソ、BPSは3.74ペソでした。配当は2022年は0.01ペソ出しています。現在の株価2.67ペソで計算すると、PER5.8倍、PBR0.71倍、配当利回り0.3%となります。

利益のほとんどは土地の評価益増です。
資本構成
大株主では、Blue Stock Development Holdings, Inc. が20.68%、Hedge Integrated Management Group, Inc.が31.95%の株を保有しています。

オーナーはバタンガス州知事?
これらの会社のオーナーが誰か年次レポートから見つけられなかったのですが、おそらくバタンガス州知事のヘルミランド・マンダナス(Hermilando Mandanas、通称Dodo Mandanas)氏の会社なのではないでしょうか?(推測、不明)。ニュース記事ではよく”Dodo MandanasのAbacore”みたいに書かれているので。
なお、これらの会社の議決権行使は、ABA取締役の一人、Arturo V. Magtibay氏が行使することになっているようです。

なお、ABAの前社長は、ヘルミランド・マンダナス氏の嫁で、下院議員でもあるレジーナ・レイエス(Regina Reyes Mandanas)でしたが、2022年5月、病気(敗血症)で亡くなってしまいました。
Wikipedia – Regina Reyes Mandanas
Youtube – ANC | Abacore Capital sells Batangas properties (2022/4/1) このインタビューのときは元気だったのに
現在は、ラウル・デ・メサ(Raul B. De Mesa)氏が会長、CEOを務めています。
株価チャート
株価は2020年の0.5ペソから5倍以上になっています。

バタンガスの土地の値上がり、土地の一部売却で黒字化、さらに資産を背景に積極的な投資も行っているようです。
AbaCore partners with Chinese developer to build P1.5-B resort in Batangas (2023/5/9) 15億ペソ規模のフィリピン最大のウォーターパークをバタンガスに建設
With Raul De Mesa as new boss, Abacore eyes listing of investment house unit (2022/6/8)
REGINAの一人買い
なお最近の株価上昇ですが、証券会社手口でみると、ほぼREGINA(Regina Capital Development Corporation)の買いとなっています。

REGINAはHVNも一人で買い進めており、短期的な需給はREGINAに支配されています。
その他
以上、ABAについて調べてみました。土地のすごい値上がりという材料はありますが、仕手株的な値動きになっており、注意が必要です。
あと、少し前にABAをdisってるファンドマネージャーがニュースになってました。
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