PSE上場全銘柄をとりあえずざっと調べてみようと思い、知らない銘柄がまだいくつか残る、その他サービスセクター(Services / Other Services)の銘柄について調べてみました。
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銘柄一覧
以下は、その他サービスセクターの銘柄一覧です。
SBS (SBS Philippines Corporation) 化学品など商社
SBSフィリピンは商社です。化学品と電気部品の卸売り(大口で仕入れ、小口で企業や消費者に販売)からはじまり、現在は食品原料、工業、農業、飼料など様々な商品を取り扱っています。
創業者はナシスト・シテンゴ氏(Necisto Sytengco、2020年没)。
Forbes – Necisto Sytengco
もともとの社名はSytengco Philippines Corporationで2014年に現在のSBS Philippines Corporationに社名変更したそうですが、SBSが何を表すのかちょっと調べただけでは見つかりませんでした(TODO)。
SimplyWallST評価だと、Financial Healthは6点で短期、長期とも資産が負債を大きく上回り財政的にはかなり健全なようです。配当は出ていますが、EPSが小さいためか配当も少ないです(利回り1%以下)。
日本にもSBSホールディングス(SBSの由来はSougo Butsuryu System)という物流会社がありますが、無関係だと思います。
IPM (IPM Holdings, Inc.) 廃棄物処理
IPMホールディングスは、廃棄物処理を行う会社です。以下は廃棄物処理を行うBEST(Basic Environmental Systems and Technologies, Inc.)の事業内容です。ちょっとなじみがなくてイメージわかないのですが、建設現場から出る残土や各種ゴミを輸送して分別して処理する感じでしょうか?
会長兼CEOはイザベル・メルカド(Isabelita P. Mercado)氏、女性です。社名のIPMは彼女のイニシャルから(記述は見つかりませんでしたがたぶん)。廃棄物処理とか建設コンサルとか何か泥臭い感じで、トップは土建屋のおやじみたいなのをイメージしていたのですが、才色兼備な感じの女性です。
The one & only Eisa (2018/8/7)
(名前につける”~氏”ですが、公式文書や堅苦しい場面では、女性名に氏をつけてもいいみたいですが、微妙に違和感ある?でも~さん、~嬢の方が違和感あるね。敬称なしでもいいけど)
業績はヨコヨコで配当はなし。PBRが3.2と業種はめずらしいですが、急成長してるわけでもない会社にけっこうな高値がついている印象です。
APC (APC Group, Inc.) SMグループ、採掘、発電
APCは資源採掘、地熱発電、他にセメント事業を行っています。
セクターは電力(Industrial/Electricity, Energy, Power & Water)や採掘(Mining and Oil/Mining)にあってもいい感じの事業内容ですが、なぜかその他サービスセクターにいます。
SMグループの資本が入っており、46.64%をBEL(Belle Corporation)が保有しています。会長はBELのウィリー・オシエル(Willy N. Ocier)氏です。
業績は毎年赤字で無配ですが、地熱発電など、SMグループの資本をバックに投資拡大しているようです。PBRは11.3倍とえらい割高な水準にも見えますが、PBRで割高判断する会社ではないのかもしれません。
PAX (Paxys, Inc.) BPO、その他投資、キャッシュリッチ
パクシーは元々セラミック製造の会社でしたが、事業停止後買収され、現在は投資持ち株会社になっています。主要事業は子会社のScopeworks Asia, Incで行っているBPO事業です。
時価総額1.7Bに対して、現金相当物が2.8Bあります。負債はほとんどなく、時価総額以上の現金を保有しています。時価総額 – 負債以上の現金を保有しているネガティブEV(Enterprise Value)です。
2021→2022年は Investment Securitiesが減少しているので株や債券の売却かとも思ったのですが、単に値下がりしただけで、金利上昇の恩恵の金利収入かもしれません。(はっきりしない)
BPO(Outsourcing)の方は毎年利益が出ていて、その他が毎年80Mのコストで赤字の年も多いようです。BPOで資金を得ながらいろいろ投資先を試行錯誤してる感じ?
会長兼CEOはタルシシオ・メダラ(Tarcisio M. Medalla)氏、Pacific Online Systems Corporation(LOTO)の取締役にもなってます。
MarketScreener – Tarcisio M. Medalla
配当はずっと無配。
子会社と株式持合い
PAXの大株主のひとつPaxy N.Vは30%の株を保有していますが、同時にPax N.YはPAXの100%子会社です。(PAXはPaxy. N.Vの株を100%保有、 Paxy N.VはPAXの株を30%保有)
決算資料の中で、EPSの計算では発行済株式は持合い分を除いて計算されています(上場株式1148535 – 持合い分30% 345622 = 802913)。
ただBPSの計算が決算資料には見当たりませんでしたが、PSE Edge表示の1.63(株価1.28だとPBR0.76倍)は何かおかしい気が・・・純資産が3.9Bあって、時価総額が1.7BなのでPBRは0.4ぐらいになる気が・・・さらにPaxy N.V30%分加えるともっとPBRは低い?(ただ何か私の知らない会計処理があるのかも。どのみち買えない、買わない銘柄ですし忘れます)
MEDIC (Medilines Distributors Incorporated) ヘルスケア
メディラインは医療用機器の輸入、販売をしています。会長はビルギリオ・ビリヤール(Virgilio B. Villar)氏で、マニエル・ビリヤール氏の弟です。
2021年12月7日上場で、上場初日は初値が公募価格の-15.5%、終値-30%という近年最悪の値動きのIPOとなっています。この後のIPOでは安定操作(stabilization fund)の有無が注目されるようになりました。
その後も株価は冴えず、現在0.5ペソ付近。Simply WallSTでは-72.6%割安判定となっています。
PHA (Premiere Horizon Alliance Corporation) SquidPay裏口上場
プレミア・ホリゾンタル・アライアンスは、元々はゲーム(カジノ?)やホテルなどの事業を行っていましたが、現在は業務転換して投資会社のようになっています。不動産や天然資源採掘などの事業に投資しているようです。
近年、業績は思わしくないのですが、SquidPayの裏口上場を材料として、株価はかなり暴騰しました。
ただ、SquidPayは創業者のマネロンや詐欺?疑惑で免許停止、裏口上場話もぽしゃってしまったようです。
It’s final: SquidPay license, registration revoked (2023/2/2)
Twitter – Merkado Barkada & $PHA
ECP (EasyCall Communications Philippines, Inc.) IT
イージーコール・コミュニケーションは、IT企業です。社名的にIP電話の会社かと思ったら、企業向けの衛星通信やらBPO関連のサービスを提供しているようです(?ちょっと業務内容が理解できてない)。元々はポケベルの会社だったようですが、2000年以降業態展開して、IT企業になったようです。
EasyCall – Our History
業績はそこそこ伸びていて、特に2022年は伸びてます。株価はずっと軟調ですが、元々割高水準にあったので今割安かどうかは不明です。配当なし。
現在のグループトップは、ソコロ・ニロ(Socorro Z. Niro)氏、女性。
以上、その他サービスセクターの銘柄をざっと調べてみました。
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