APVIについて調べてみました。
事業内容
アトラスプロパティーベンチャーズ(Altus Property Ventures, Inc. 証券シンボルAPVI)は、イロコスノルテでロビンソンモール(の北ウィング)を運営しています。イロコスノルテはルソン島、最北部の田舎で、総合ショッピングモールは現在このロビンソンだけらしいです。
場所 https://goo.gl/maps/HjKuHEwCvuqUyp1RA
上場したのは2020年6月と結構最近で、上場初日に高値+2276%というとんでもない値段をつけた伝説の株です(私がフィリピン株をはじめる前の話で知りませんでした)。なお通常の形式のIPOでなく、”by way of introduction”という方式でRLC(ロビンソンランド)の株主にAPVI株が現物配当されるという形式で新株を発行して上場しました。
なお現在のビジネスはモール運営(テナント賃貸)だけですが、周辺の不動産開発を行うことにが視野に入っているようです。
5 Things to Know About Altus Property Ventures and How to Profit from It (2020/7/7) ★
バリュエーション
2022年度年次レポートによると、EPSは1.08、BPSは7.8ペソです。現在の株価11ペソで計算すると、PER 10.2倍、PBR 1.4倍となります。配当は現在無配です。
不動産セクターの中ではPERやPBRが高い数字になっていますが、売上や利益成長が継続するのであれば許容範囲かもしれません。現在無借金です。
2022年度の業績は2019年コロナ前の水準を上回っています。
2023 1Qの決算も出ていますが、前年比+10%程度の利益成長になっています。
時価総額
時価総額は11臆ペソで小型株です。
資本構成
大株主はJGサミットグループのJGSとRLCです。
株価推移
2020年6月26日上場で、上場初日に超上ヒゲ。2021年に暴騰して、その後右肩下がりの株価となっています。
なお、上場日の株価は、基準価格10.1ペソに対して、初値40ペソ、高値240ペソ(公募価格比+2276%)、終値18.5ペソという一時とんでもない価格をつけています。
なお、現在の取引は閑散としています。
by way of introduction
APVIの上場は通常の方式でなく、”by way of introduction”という方式で上場しました。この方式は既に他の市場に上場している場合や、(このAPVIのケースのように)現物配当の形で新株が割当られます。
参考
RLC(ロビンソンランド)の株主に対して、RLC51.9株につきAPVI1株の割合で、現物配当の形でAPVIの株式が割り振られました(権利確定日は2021年末っぽい)。
通常のIPOと違って値幅制限がなかったようです。また、RLCは売らないし、現物配当をもらった多くの株主もすぐ売る気はない、上場初日時点では、相当需給が絞られていたため、瞬間高値+2276%という値段がついたのだと思います。
まとめ
以上、APVIについて調べてみました。不動産セクターの中で少し毛色の変わった銘柄となっています。
追記:LMF→LPC
つい最近、同じパターン(株配当でby way of introduction)の上場があった模様。知らなかった・・・
LFM unit’s listing by way of introduction gets nod (2022/11/4)
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