Forbes資産番付2023でマニー・ビリヤール氏が2位に入っていますが、彼の資産の大きな部分を占めるゴールデンMVホールディングス(Golden MV Holdings, Inc. 証券シンボルHVN)について調べてみました。
ポイント
- 葬儀(death care)ビジネスの上場会社はユニーク。利益は住宅販売部門の貢献が大きい
- バリュエーション PER424倍、PBR43倍
- REGINAの一人買い
事業内容
HVNは不動産セクターの会社ですが、Golden Havenのブランド名で葬儀関連事業(death care)を行っています。墓地の販売、礼拝堂、納骨堂などの葬儀関連のサービスを行っています(Development of memorial parks, chapels, and columbarium facilities)。
また子会社のBria Homesで住宅の開発販売も行っています。またVTech Capital, Inc. (VTECH)という子会社で投資事業(他のITや金融会社の株の売買?)を行う予定のようですが、この会社は2022年に立ち上げたばかりでまだ実績はありません。
なお、葬儀事業が看板事業ですが、業績寄与は住宅販売が大半で、利益の7割は住宅事業が占めています。

なお、HVNという証券シンボルですが、以前の社名がGolden Heavenで、そこからつけた証券シンボルと思われます。以下は社名の変遷。
GOLDEN HEAVEN MEMORIAL PARK, INC.
ビリヤールグループ#HVN
↓
GOLDEN HEAVEN, INC. (2017)
↓
GOLDEN BIRA HOLDINGS, INC (2018)
↓
GOLDEN MV HOLDINGS, INC (2021)
バリュエーション
2022年の年間決算ではEPSが2.01、BPSが19.7となっています。配当は無配です。現在の株価853ペソで計算するとPER424倍、PBR43倍となります。

明らかに割高です。参考までにAI半導体一人勝ちのNVIDIAのバリュエーションは現在PER250倍、PBR48.6倍です。
時価総額と株価チャート
2023年7末時点の時価総額は5480億ペソ(548Bペソ)で、PSE上場主要銘柄で5位の時価総額になっています。ただし、浮動株が10.9%と低いためフィリピン総合指数には採用されていません。

マニー・ビリヤール氏がForbesの長者番付2位にランクインしているのは、このHVNの時価総額によるところが大きいです。
株価チャートは最近右肩上がりです。

証券会社の売買手口を見ると、直近1年ではREGINA証券がほぼ一人で買っているのが分かります。

REGINAといえばABAも同様に一人で買いあがっていました。チャートは強いのですが、短期的な需給はREGINA次第でかなりリスキーな株です。
資本構成
大株主はFine Properties, Inc.が63.97%、Cambridge Group, Inc.が24.65%を保有しています。ともにビリヤールグループの会社であわせて88.62%をビリヤールグループで保有しています。

↓資本関連の図

その他
以上、ゴールデンMVホールディングスについて調べてみました。
私は投資したくならない株ですが、もしかしたら買われている理由があるのかもしれません。
コメント