VREITについて調べてみました。
ポイント
- ビリヤールグループの商業施設REIT
- 予想分配金利回り 9.6%、PBR 0.46(≒NAVx 0.48)
- 2022年のEPSマイナスは資産評価損
VREIT(VistaREIT, Inc.)はビリヤールグループのREITです。2022年6月上場。
ポートフォリオ
保有物件は商業施設(ショッピングモール)中心です。オフィスも少数保有しています。オフィス中心のフィリピンREITの中では商業施設系のREITは希少です。
収入ではSOMO – A Visamall (Cavite) が大きく、次にStarmall San Jose del Monte (Bulacan) (←昨年はこっちの方が収入が多かった)。評価額で大きいですが、Vista Hub BGCは収益は小さめのようです。マニラ首都圏中心部よりもやや郊外の物件が主力のようです。
スポンサーはビリヤールグループの複数の不動産会社で、REITに組み入れた物件に応じて配分されたVREITの株券を保有しています。以下のような株主構成になっています。PSE上場のVLLとSTRの複数の子会社がスポンサーになっています。
バリュエーション
2022年間決算は資産再評価によるマイナスが大きくEPSはマイナスでわけわからないので、最近開示された1Q決算を見てみます。
四半期EPSは0.04、4倍すると0.16になります(季節要因は無視してとりあえず単に4倍)。現在の株価1.63ペソで計算すると、予想PER 10.1倍、PBR 0.46倍となります。
総資産は25295Mペソ、NAV(一口当たり総資産)は3.4ペソ、NAV倍率は0.48倍です。
配当を直近の 0.0392ペソを4倍して計算すると0.1568ペソ、予想配当利回りは9.6%となります。
配当については上場以来、4四半期連続で増配しており、徐々に増えている傾向にあります。
なお、家賃収入は847Mありますが、資産再評価減で-418M(収入の49%)、管理費で-122M(収入の14%)のコストがかっています。資産再評価減は古い物件が多いのか、資産の目減りが大きいようです(TODO この資産減はこの後も続くの?)。
土地リース料、管理費など
土地はVREITは保有しておらず、スポンサーの各不動産会社が保有しており、土地利用料は0.07%~1.0%で設定されています。2022年年次レポートによるとトータルで19M(賃料の0.91%)となっています。
また、ファンド管理、物件管理を VFund Management Inc、VProp Management Inc にそれぞれ委託しています。委託費用が賃料の何%なのか不明ですが、管理費用はトータルで41M(賃料の1.95%)となっています。
株価推移
株価推移は以下のようになっています。上場後まだ1年たっていませんが、比較的値段を保っていると思います。
まとめ
以上、VREITについて調べてみました。
物件がなんとなく郊外だったり古かったり、何か微妙な印象を受けますが、家賃収入自体はあって配当も出ています。地価の値上がりの恩恵を受ける感じはないですが、手堅いインカムゲインを今のところ得られているようです。継続している資産の評価減が今後どうなるのか気になります。
アイキャッチ画像は会社Webサイトより
参考 ビリヤールグループ
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