MRSGIについて調べてみました。
メトロ・リテール・ストア・グループ(Metro Retail Stores Group、証券シンボルMRSGI)は、Metroの名前でスーパーやデパートを運営しています。
事業内容
メトロ・リテール・ストア・グループ(以下、略してメトロリテール)は、Metro~なんちゃらという名前のスーパー、デパートを運営しています。
またスーパー、デパートの他にハイパーマーケットという形態の店舗を運営していますが、ハイパーマーケットはスーパーとデパート両方の商品を扱っている店舗らしいです(↓会社WEBサイトより)。
メトロリテールは、中国系移民がルーツのガイサノ(Gaisano)ファミリーが作ったセブ発祥のスーパー、デパートです。現在はフィリピン全土に進出しています。
- Metro – History
- Wikipedia – Gaisano family – Victor S. Gaisano
最初の店舗はコロンからはじまったらしく、コロンといえばセブの中でも貧民街、大阪で言うと西成みたいな場所でしょうか。昔セブに語学留学したことがあるのですが、コロンには近づくなとか注意されたような記憶があります。
メトロリテール傘下ではないですが、ガイサノファミリーが運営するビジネスとしてセブやダバオではGMall(Gaisano Mall)というショッピングモールもあるらしいです。
(TODO アヤラと提携関係?不明)
バリュエーション
つい最近開示された年次レポートによると、EPSは0.28ペソ。BPSは2.74ペソです。現在の株価1.45ペソで計算するとPER5.1倍、PBR0.52倍となります。配当は0.06ペソで、配当利回りは4.1%です。
コロナの影響で2020年、2021年は赤字でしたが、2022年は黒字化できています。また売上も2019年の水準を回復し超えてきています。
なお、PSE Equipのレポートをチェックしたところ、Fundamental評価は3と低め。debt評価とdivided評価がそれぞれ2点と低めでした。借り入れが多い評価でしたが、2022年度は借り入れが少し増えてました。ただ、MMなどと比べると微々たるものだと思います。relative評価は7点で、PSE Equip的にはファンダは微妙だけどまぁまぁ割安という判定でした。
またSimplyWallSTの割安判断では95%割安、超割安な判定でした(この判定は決算の結果でけっこうコロコロかわるのですが、とりあず現在の判定では)。
時価総額
時価総額は47億ペソで中小型株です。
以下はRetailセクターの上場銘柄を一覧したものですが、小売セクターでは時価総額の小さな部類に入ります。
資本構成
メトロリテールの大株主は、ガイサノファミリーの持ち株会社(たぶん)のVicsal Developmentで、 8割の株を所有しています。
参考 フィリピン不動産開発業者一覧 > タフトプロパティーズ 今回の記事と関係ないですが、不動産部門はTaft Property
フランク・ガイサノ
メトロリテールの会長兼CEOは、フランク・ガイサノ(Frank S. Gaisano)氏です。フランク・ガイサノ氏はViscal DevelopmentのCEOでもあります。また、上場会社では、FFI(Filipino Fund, Inc. 上場投資信託会社?)のDirectorでもあります。どこかで見た顔だなーと思ったのですが、私が使ってるAB証券の前会長でした(参考 ABキャピタル新体制)。Vicsal Developmentの100%子会社のVicsal InvestmentsがABキャピタルを以前は保有していたようです。
株価推移
チャートを見るとかなり冴えない動きが続いています。
売上や利益は2019年水準を回復してるのに、株価はコロナの安値水準というのは少しお買い得のようにも思えます(ただ、そういう会社が今はたくさんある・・・)。
まとめ
以上、メトロリテールについて調べてみました。
ガイサノファミリーは私はよく知らない財閥だったのですが、セブ発祥のいろいろビジネスを手掛けている小売りでは有名な財閥のようでした。私の使ってるAB証券に大きなつながりがあってびっくり。
その他参考
- セブ今昔物語 セブのショッピング・モール変遷史
- フィリピンの主要百貨店・ショッピングセンター17選〜流通・小売業界〜 ガイサノグランドグループ、メトロリテール・ストアーズグループ
- JETRO – フィリピンにおける小売・サービス業調査 (2016)
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