フィリピンのコンビニ関連銘柄についてまとめてみました。
フィリピンには日本でもおなじみのセブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップなど日系コンビニが出店しています。日経以外でも、インドネシア系のアルファマート、ローカルのオールデイ、ピュアマートなどのコンビニがあります。
店舗数で言うと、セブンイレブン(約3000店)、アルファマート(約1000店)、ミニストップ(約500店)が他のコンビニチェーン(約100店前後)を大きく引き離して3強になっています。
セブンイレブン (7-Eleven)
フィリピン最大の店舗数を持つコンビニはセブンイレブンです。運営会社はPSE上場の Philippine Seven Corporation (証券シンボル SEVN)です。
1984年に第一号店を出し、2021年に3000店舗を超えました。なお、日本のセブン&アイ・ホールディングスとは資本関係はなく、台湾系のプレジデント・チェーン・ストアが過半数の株券を保有する大株主になっています。
7-Eleven opens 3,000th store; brings essentials near residential communities (2021/7/13)
アルファマート (Alfamart)
店舗数フィリピン第2位のコンビニはアルファマート(Alfamart)です。アルファマートはインドネシアのスンブル・アルファリア・トリジャヤ(IDX: AMRT)が運営するインドネシア最大級のコンビニチェーンです。2014年にSMグループと合弁でフィリピン進出し、2021年時点で店舗数は1000店舗を超えています。
アルファマートフィリピン自体は上場していませんが、SMインベストメント(証券シンボル SM)の子会社(のSMリテールの子会社?)なので、SMインベストメントに投資することで、間接的にアルファマートに投資することができます。ただ、SMインベストメントは巨大企業で、アルファマートの売上の占める割合は小さいです。
Alfamart Opens 1,000th Convenience Store in the Philippines (2020/11/16)
スンブル・アルファリア・トリジャヤ フィリピンで200店追加 (2017/5/19)
SM to enter convenience store business with Alfamart (2014/8/8)
ミニストップ (Ministop) → Uncle John’s
ミニストップは、JGサミットグループのロビンソンリテールと合弁で2000年にフィリピン進出しました。2021年現在は約500店舗出店しています(2020年末時点で463店舗、前年比-44店舗)。
なお三菱商事も以前は大株主でしたが持ち株は売却しています。三菱商事はフィリピンのローソンにも出資しており、そちらに注力するようです。
2022年、ブランド名をミニストップからUnclue John’sに変更しました。有名らしいUncle John’s Fried Chickenの姉妹店舗として、またJSサミット創始者のJohn Gokongwei Jr.の名前をとって、そういう店名にしたそうです。
ミニストップフィリピンは上場していませんが、親会社のロビンソンリテール(証券シンボル RRHI)を通して、間接的にミニストップに投資することが可能です。
Gokongweis rebrand Ministop as Uncle John’s (2022/9/24) ブランド名をMinistopからUncle John’sに変更
Robinsons Retail to own 100% stake in Ministop Philippines (2022/1/24) ミニストップジャパン分の株券も買い取りロビンソンリテールがRCSIの100%株主に
三菱商事、比のミニストップ 保有株売却 (2018/9/5)
ミニストップ セブ島に初出店 (2012/10/24)
ローソン (Lawson)
ローソンはピュアゴールドとの合弁でフィリピンに進出し2015年に第一号店をオープンしました。が、あまり出店は進まず2018年にピュアゴールドが撤退し、代わりに2019年にアヤラグループと提携し店舗を展開しています。
このとき(2019年)の発表では2023年までに500店舗規模に拡大という計画でしたが、現在の店舗数は67店舗ぐらいであまり拡大は進んでいない感じです。
ローソンフィリピンはアヤラグループと提携はしているのですが、資本関係がよくわからないです。関連する会社としては、提携先のACインフラ(非上場)の親会社のアヤラランド(証券シンボルALI)アヤラコーポレーション(証券シンボルAC)があります。
比ローソン100店突破、後発だが着実に増加 (2023/4/13)
AC Infrastructure Holdings Corporationとローソンが業務提携合意 (2019/10/11)
比小売り大手ピュアゴールド、ローソン運営から撤退 (2018/4/27)
ファミリーマート (Family Mart)
ファミリーマートはアヤラグループと合弁会社を作り、2013年に1号店を出店しました。
2017年にアヤラは撤退し、代わりの事業パートナーがデニスウィ氏が率いるフェニックス・ペトロリアムとなりました。フェニックスはガソリンスタンドを展開しているので、ガソリンスタンド併設型の店舗を出店していくのでしょう。
ファミリーマートフィリピンは上場していませんが、親会社のフェニックスペトロリアム(証券シンボル PNX)を通して間接的に投資することが可能です。PNXが他の株主の株券を買い取って、100%子会社となっています。
ウデナグループ (DITOなどを傘下に持つデニスウィ氏のグループ会社)
フィリピンにおけるCVS事業パートナーの変更及び新ライセンス契約締結に関するお知らせ(2017/10/31)
比ファミリーマート事業、アヤラランドとSSIが撤退(2017/10/31)
Dennis Uy completes FamilyMart PH buyout (2018/1/11)
オールデイ (All Day)
オールデイ(All Day)は、ビリヤールグループのコンビニです。グループの不動産やショッピングモール(VistaMall)とタイアップして近所に出店しています。現在約100店舗出店しています。
Wikipedia – All Day Convenience Store
ピュアマート (Puremart)
ピュアマート(Puremart)は現在100店舗ほどを出店しています。
私は全くなじみのないコンビニで、セブンイレブンのプレゼン資料のコンビニ件数比較の比較相手に入っていてその存在を知りました。
名前的にPuregold系列のようにも見えますが、PuregoldやCoscoキャピタルの年次レポートにPuremartの名前は見つかりませんでした。インドにPuremartというオーガニック食品の会社がありますが、関係なさそうです。puremart.phをwhois検索すると、Alphalandという会社がドメインを保持していますが、どれ誰?
New Competitor of 711: Puremart (2019/11/11) 個人のYoutube。ここにはPuregold系と書いてます
その他参考
日系コンビニの海外進出状況を見ると、ローソンは中国、ミニストップは韓国の出店が大きいです。またフィリピン出店開始後発のファミリーマート、ローソンはなかなか店舗数を増やすのが難しそうな印象です。
フィリピンの現在のコンビニ店舗数では、セブンイレブン、アルファマート、ミニストップが三強です。
私は少し前まではセブンイレブンとミニストップの2強かと思っていたのですが(というかアルファマートというコンビニの存在を知らなかった)、アルファマートがすごい勢いで増えてきてるみたいですね。
店舗数 | 前年比 | |
セブンイレブン | 2978 | +114 |
アルファマート | 1012 | +258 |
ミニストップ | 463 | -44 |
以上、フィリピンのコンビニと関連する上場会社について調べてみました。大金をフィリピンのコンビニセクターに投資する人は有料レポート Convenience Stores in the Philippines (990USD) などを買って読むとよいかもしれません。私はお金がないので公開情報とグーグル調査でがんばります。
更新履歴
2023/2/26 ミニストップのブランド名変更を追記
比のコンビニ事業から日系の資本撤退続く 出資ローソンのみに、比セブンは台湾資本(2022/1/25)
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