持株会社(中堅以降)

持ち株会社セクターで中堅以降の銘柄についてざっと調べてみました。

上場会社一覧

以下は持ち株会社セクターの銘柄一覧です。時価総額が比較的小さな銘柄、ABA以降の持ち株会社についてささっと調べていってみました。

持株会社セクターの銘柄一覧 (2023/6末時点)

ABA (AbaCore Capital Holdings, Inc. ) バタンガス

アバコア・キャピタルは金融サービス、不動産、鉱山(金、石炭)、ゲーム機器のレンタルなどに投資しています。

2020年から株価が5倍になっていますが、バタンガスの土地の値上がりが一つの材料のようです。

参考 [ABA] アバコア・キャピタル

HI (House of Investments, Inc.) ユーチェンコ

ハウス・オブ・インベストメントは、ユーチェンコグループの持ち株会社です。上場子会社、関連会社にEEI(建設)、IPO(教育)、PERC(発電)があります。

時価総額 3.3Bで現金が5.4B。多くの資産を持ちPBRは0.18倍とかなりの数字になっています。資産も多いですが負債、借り入れも巨大です。

最近、EEIの株券を売ったり、買収、売却ニュースがちょくちょく、活動的に?なってきています。

参考 [HI]ハウス・オブ・インベストメント

REG (Republic Glass Holdings Corporation)

レパブリック・グラス・ホールディングは元々はガラス製造を手がけていましたが、ガラス事業は分離し(日本の旭硝子と合弁でガラス製造を行うジョイントベンチャー)、持株会社として投資事業を行っています。

Science Park、Stradcom Corporationなどの不動産会社?に投資しています。以前はMRT7関連(ノースからブラカン、サンミゲルが注力)の会社にも投資していました。

RGHC – about us

毎年配当も実施しています。以前は年0.15~0.3ペソ(配当利回り5~10%程度)とけっこうな高配当株だったようですが、ここ数年はしょぼ目で0.03ペソ程度(配当利回り1%程度)となっています。

無借金で、財務は健全です。

大株主は Gervel, Inc.(67.84%)。Metropolitan Management Corporation(8.86%、買い増し中)、Sysmart Corp.(5.51%、SM系?)などです。

流動性の乏しい閑散株ですが、売買手口を見るとここ一年はPAPA証券が一人で買っているようです。

PSE Edgeの開示情報がやけに多いのですが、中身をチャックしてないですが毎月株を買い増してるMetropolitan Management Corporation関連?GISの訂正を32回も出してました。

https://edge.pse.com.ph/companyDisclosures/form.do?cmpy_id=153

SGI (Solid Group, Inc.)

ソリッドグループは、不動産、物流、小売などの事業を行っています。MyPhoneというフィリピンオリジナルの携帯電話やスマフォを製造、販売しています(いました)。

無借金で時価総額以上の現預金を保有しています。なぜこんなに現金を残しているのか不明ですが、もしかしたら不振事業の清算などで大きな費用が発生することがあるのかもしれません。

参考 [SGI]ソリッドグループ

APO (Anglo Philippine Holdings Corporation) ラモスグループ

アングロ・フィリピンはラモスグループの持ち株会社で、天然資源、不動産、インフラ、発電などに投資しています。

近年は赤字の年が多いようです。2021年は黒字でしたが、それ以外は赤字。2017以降無配です。

参考 [APO]アングロ・フィリピン (この記事を書いた時点で2022年は黒字かと思ったらまた赤字だった・・・)

LODE (Lodestar Investment Holdings Corporation) 休眠、ソコロ・リム

ロードスターは以前は鉱山会社でしたが採掘事業は停止し、現在は売上ゼロの箱会社です。

会長、大株主はソコロ・リム(Socorro P. Lim)氏で最近ナサニエル・ゴー(Nathaniel Go)氏から株を買い取ったようです。ソコロ・リム氏が何者なのかはよくわかりません。

MarketScreener – Socorro P. Lim

アンピン銘柄 (以前、相場師アンピンが手掛けた銘柄)

Still haven’t found what it’s looking for: Shell company Lodestar shifts to IT… (2021/1/29)

ATN (ATN Holdings, Inc.) 不動産、ヘルスケア、B株(ATNB)

ATNホールディングは、元々は鉱山会社でしたが、現在は持ち株会社になって不動産やヘルスケア事業に投資しています。

決算期は4/1~3/31。外国人持ち株比率が0%ですが、外国人も購入可能なB株があります(ATNB)。

会長、CEO、大株主は アルセニオ・ナン(Arsenio T. Ng)氏です。たぶん彼のイニシャルのATNが社名の由来と思われます。アルセニオ氏はTBGI(Transpacific Broadband Group International)の会長、CEOも務めています。

MarketScreener – Arsenio T. Ng

会社Webサイトを見ると太陽光、岩販売?(コンクリートの前段階?)などの事業にも投資しているようです。太陽光の関連会社はIPOを予定しているようです(そのニュースを材料にして2022年初頭に株価はプチ暴騰して全戻ししたもよう)。

ATN Holdings – news

ATN Solar eyeing Php1B IPO (2022/3/10)

Arsenio T. Ng’s stock is hottest so far in 2022… (2022/1/30)

↓会社の子会社一覧

17-A 2022 file1 P71

最近の業績はイマイチのようで、配当も出ていません。株価も軟調ですが、アルセニオ氏の子供たちが毎月のように株を購入して徐々に持株を増やしているようです。

PRIM (Prime Media Holdings, Inc.) メディア、ロムアルデス

プライム・メディア・ホールディングスは、過去何度か業態変化して、現在はメディア関連の投資会社です。

ABS-CBNとのジョイントベンチャーのニュースが最近話題になりました。

ABS-CBN signs JV with Prime Media (2023/5/24)

Prime Media halted after ₱405-M private placement sale (2023/6/13)

Philippine company linked with Marcos ally strikes business deals (2023/6/8)

Prime Media Holdings Inc sets Romualdez clan up for a big piece of the broadcast media pie (2021/8/10)

参考 ロムアルデスグループ

ABG (Asiabest Group International Inc.) 休眠、オカダマニラ

アジアベストは、現在売上ゼロの箱会社です。

マニラの統合リゾートカジノの一つ、オカダマニラを運営するタイガーリゾートが大株主で、取締役に日本人の名前があります。PSEに裏口上場する計画があったようですが、現在計画は挫折しています。代わりにナスダック上場を予定していたのですが、そちらも頓挫したようです。

オカダマニラは創業者の岡田和夫との内紛で昨年は岡田和夫氏側は私兵を用いて占拠ししばらく運営していましたが、その後排除されて、現在はアジアベスト側(ユニバーサルエンターテイメント側)が運営しています。コロナ開けて業績はよいようですが、いろいろとゴタゴタしている会社です。

参考 カジノ関連銘柄#オカダマニラ

FJP (F & J Prince Holdings Corporation) 金融資産バリュー、B株(FJPB)

F&Jプリンスは不動産、発電、IT、BPO事業などに投資しています。

https://fjprince.com/our-company/conglomerate-map/

外国人持ち株比率上限0%ですが、B株があります(FJPB)。

時価総額0.6Bペソで、短期資産が0.78B(うち現金相当物0.45B、公開株0.29B)あります。換金可能な金融資産だけで時価総額を超えてます。この他に長期資産で、子会社関連会社以外の投資資産だけで0.4Bあります。

SEC Filing 17-C 2023 1Q (PSE Edgeの資料は無駄に分割されてるので会社WebサイトからPDFをダウンロードした方が見やすいかも。ただ画像なのでOCRかけないと検索はできない)

無借金です。配当も毎年それなりに出してます。

配当をちゃんと出してる資産バリュー株は好きなので、投資したいと思ったのですが、いかんせん閑散すぎて買えなさそうです。A株もたいがい閑散ですが、外国人が購入可能なB株は売り板すらありません。

トップの会長兼CEOは任命さたばかりのロバート・コケン(Robert Y. Cokeng)氏でしたが、昨年末に逝去されたそうです。

Lucio Co’s trusted director Robert Cokeng passes away (2022/12/28)

WIN (Wellex Industries, Incorporated) ウォレックス

ウォレックスインダストリーは、ウェレックスグループの持ち株会社で、主な事業はプラスチック製品の製造でした。現在プラスチック製造事業は停止し、倉庫の貸し出しが主なビジネスになっているらしいです。

業績は近年赤字で、配当もなし。

参考 ウェレックスグループ#WIN

PA (Pacifica Holdings, Inc.) 休眠、ローエル・ユー

パシフィック・ホールディングスは現在売上ゼロ、ローエル・ユー(Lowell L. Yu)が保有する裏口上場用の箱会社です。ローエル氏はパシフィック・ホールディングスの会長、大株主(Unido Capital Holdings Inc、iHoldings, Inc.はローエル氏の会社)です。不動産やKUYA-Jなどの外食会社をいくつかの会社を経営しています。

MarketScreener – Lowell L. Yu

Businessman Yu increases stake in Pacifica (2019/11/28)

FPI (Forum Pacific, Inc.) ウォレックス

フォーラムパシフィックは、WIN同様ウォレックスグループの持ち株会社です。

もともとは石油ガス天然資源の採掘会社でしたが、現在売上はゼロで、ビジネスを模索中のようです。

売上ゼロですが、営業外利益が少しあるのは、大株主The Wellex Group, Inc. (TWGI)がコスト負担、オルティガスのオフィスの家賃?で毎年資金を出しているようです。

参考 ウォレックスグループ#FPI

BH (BHI Holdings, Inc.) 休眠

BHIホールディングスはもともとは保険会社でしたが、現在は持ち株会社として事業再編中、売上ゼロの箱会社です。

毎年の営業外利益は計1億ペソを関連会社に貸している金利?のようです。PBR 3倍以上がついていて、なぜか高い株価のままのような印象。

MarketScreener – Manuel N. Tankiansee

なお、ボラカイリゾートのBHI(Boulevard Holdings, Inc.)という、名前の似た上場会社がありますが、無関係です。

ZHI (Zeus Holdings, Inc.) 休眠、ヤッペグループ?

ゼウスホールディングスは元々は衣料品製造メーカーでしたが、現在は事業は行っておらず、売上ゼロの箱会社です。会長は、フィリップ・ヤッペ(Felipe U. Yap)氏です。

参考 ヤップグループ(フィリッペ)

SPM (Seafront Resources Corporation) Hermosa(バターンの工業団地)開発

シーフロント・リソースは元々は石油採掘会社でしたが、投資会社に業態変化しています。

投資先は以下のようになっています。

17-A 2022

投資先はほぼHermosa Ecozone Development Corporation(HEDC)となっています。HEDCはバターンのHermosaの不動産開発会社のようです。時価評価で507M(5億)ペソで、SPMの時価総額(277M)の2倍近くの資産評価になっています。

(HEDCはREGの投資してるScience Park関連会社?)

無借金で資産評価的に割安な株となっていますが、無配で、売買閑散で投資先としては微妙な感じです。

大株主にはPan Malayan(18.69%)などユーチェンコ系が多いようです。他にChina Bankの投資部門?が計15%とAlsons Consolidate Resourcesが9.54%の株を保有しています。

17-A 2022

MHC (Mabuhay Holdings Corporation)

マブハイ・ホールディンスは主に不動産関連の会社に投資しています。複数の会社に投資していますが、一番大きいのはTagaytay Properties and Holdings Corporation (TPHC) で、タガイタイの複合施設を開発しています。

業績は赤字の年が多くパッとしません。無配。

Mabuhay Vinyl Corporation (MVC)という同じマブハイを冠した名前のPSE上場会社がありますが、資本関係、事業内容等関連する記述は見つけられませんでした。おそらく無関係です。

KPH (Keppel Philippines Holdings, Inc.) 金融資産バリュー、B株(KPHB)

ケッペル・フィリピン・ホールディングスは、シンガポールのケッペル・コーポレーションの子会社として設立され、元々は造船や船の修理の事業を行っていましたが、その後、事業内容を変更し、現在投資持ち株および不動産の会社となっています。

時価総額が178Mで、キャッシュが500Mあります。2021年に売却した不動産の収入?

その他に長期資産が715M。無借金で、資産超バリュー株に見えますが、SimplyWallSTだと +857.9%オーバーバリューになっています。なぜだろう・・・何か罠があるのだろうか

外国人持ち株比率上限0%ですが、B株(KPHB)もあります。以下KPHの資本構成(株主、および子会社、関連会社)。大株主のKepwealth(KPPI)はPSE上場会社です。

Annual Report → AFS CONSO 2022.pdf P62

Zumi Life – ケッペルフィリピンホールディングス

ケッペルを冠するPSE上場株に持ち株会社KPHの他に、KPPI(Kepwealth Property Phils., Inc.)、KEP(Keppel Philippines Properties, Inc.)もあります。セクターは違いますが全部主要事業は不動産ぽいです。KPPIはKEPとKPHの大株主でもあります(訂正 別物のようです)。ややこしい・・・保留。

ケッペルグループ?のPSE上場会社

以上、持ち株会社セクターで時価総額の小さい方の銘柄を調べてみました。割安で買いたい銘柄もあったのですが、市場でほとんど取引されてない銘柄は購入するのも困難ですね・・・

コメント

タイトルとURLをコピーしました