マハリカファンド

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最近ちょくちょく名前を聞くマハリカファンド(Maharlika Investment Fund)について調べてみました。

マハリカファンドとは

マハリカファンドはフィリピンのSWF(Soverign Wealth Fund、ソブリンウェルスファンド、政府系ファンド)です。

昨年末に法案が提出され、最近可決、今年2023年末には運用開始される見通しです。

マファリカファンドの趣旨については、1月にマルコス大統領がダボス会議で簡潔に語っています。使われていない資金を活用して、政権の重点政策(エネルギー、インフラ、農業、デジタル化)へ投資することで経済を加速させる狙いです。

“We have reserves. And we must make [sure] that money sitting in banks, commercial and government… We need to find a way to make that money work for us, and that’s why we thought the sovereign wealth fund would be a good idea to leverage what assets the government has, what monies the government has,” he added.

“We’re talking about energy, we’re talking about infrastructure, we’re talking about agricultural development, we’re talking about digitalization. So all of these will need a great deal of support,” Marcos said.

Marcos in Davos: Maharlika fund to drive infra in energy, agriculture (2023/1/18)

経済をまわすために眠ってるお金を起こす、というのは全く正しいと思うのですが、批判も多いです。

まず、投資にはリスクがつきものです(損する可能性もある)。年金をマハリカファンドの資金として使うな!というのが反対意見の一つで、マハリカファンドの原案ではSSSやGSIS(フィリピンの2大年金基金)の資金も活用される予定でしたが、改正案で年金資金は使わないということになりました。

もう一つは汚職の問題です。旧マルコス政権下で、ココナッツ産業発展の名目で作られたCoco Levy Fundというものがあります。このファンドでは、ココナッツ農家の生活は向上せずに政権と身内の資金源になりました。Wikipediaのマハリカファンド解説の関連項目にこのCoco Levyの話がはってあり、汚職を懸念する声は根強いようです。

フィリピンのcoco levy fund について教えてください

Coco Levy Fundはフィリピンにおけるココナッツ産業の発展のために設立されたファンドです。1970年代にフィリピンのマルコス大統領の下で導入されました。大統領は、ココナッツ農民から徴収した税金をこのファンドに集め、ココナッツ産業の発展を支援しようとしました。

しかし、このファンドは政府の腐敗と私物化の対象となり、その利用がココナッツ産業や農民の利益に直接寄与するのではなく、マルコス政権とその関連者に利益をもたらすために使われました。マルコス政権が倒れた後も、この問題はフィリピン社会に深刻な影響を与え続け、Coco Levy Fundの適切な利用と監督についての議論が続いています。

ChatGPT4

ちなみに maharlikaはタガログ語で、noble(偉大な、気高い)という意味らしいです。mahal(マハル=大好き、高い)に発音が似てるので大好き系の言葉だと勘違いしてました(参考 tagalog.com – maharlika)

マハリカファンド 参考

マハリカファンド関連銘柄

マハリカファンドには不安点もありますが、フィリピン株をやっている人間としては、経済にプラス、もっと単純にフィリピン株に資金が入ってきて株が上がる材料なので歓迎です。

多くのフィリピン株投資家が興味があるのはマハリカファンドは何の株を買うか?という点でしょう。

なお、マファリカファンドの投資対象はけっこうなんでもありのようで、PSE上場企業にいくら投資されるのか現時点では不明で、以下の関連銘柄はすべて憶測です。

Policy Brief  投資対象はけっこうなんでもあり・・・

マルコス政権の重点政策セクター

マルコス政権が重点を置いている経済政策に関連している銘柄、エネルギー、インフラ、農業、デジタル化などを手掛けている銘柄が期待です。

エネルギー関連では再生エネルギーのACEN、AP、送電網のSGPなど(SGPというよりは親会社の株の40%の中国企業保有分の引き受け?)。

インフラ関連では建設会社のEEI、MWIDEなど?ラゾングループのインフラ会社、プライム・インフラが上場されたら、本命と思われます。ラゾン氏は原発建設にも関わる可能性があり、エネルギー関連でもあります。

MPIがインフラや農業に重点投資していて、本命のような感もあったのですがTOBで上場廃止予定です。

Razon upsizes power and water IPO to P33B ahead of planned Q3 listing (2023/5/15)

Leading nuclear power energy firm to invest in PH; plans to conduct study to locate site in the country (2023/5/1)

参考 電力セクター 中堅以降 建設セクター

マファリカファンド推し政治家関連銘柄

マハリカファンドを主導している政治家で株式市場に関連する人物に、マーティン・ロムアンデス(Martin Romualdez)氏とマーク・ビリヤール(Mark Villiar)氏がいます。

下院議員議長のマーティン・ロムアルデス氏(wikipedia)はボンボンマルコス大統領のいとこで、RYM Business Managementという会社を通して上場企業に投資しています。EEI、PRIM、BRK、MARC、BCなどが関連銘柄です。本命はインフラ関連でもあるEEIでしょうか。

参考 ロムアルデスグループ

上院議員のマーク・ビリヤール氏(wikipedia)はマニー・ビリヤール氏の息子です。ビリヤールグループの銘柄にはHVN、VLL、STR、HOME、VREIT、PREITなどがあります。再エネ関連という点ではPREITですが時価総額も小さく、これが本命という銘柄は見当たりません。仕手化してるHVNに投資してきたらどうしましょう・・・

参考 ビリヤールグループ

他にマハリカファンド推しというわけではありませんが、マルコス政権に近い人物として、アラネタ財閥のグレゴリオ・アラネタ(Gregorio Ma. Araneta III)氏がいます。グレゴリオ氏はボンボンマルコス大統領の妹Irene(wikipedia)の夫です。関連銘柄でグレゴリオ氏が会長をつとめるARA、WEBがあります。

参考 アラネタグループ

外貨獲得銘柄

ファンドの趣旨とはちょっと外れる気もしますが、外貨獲得のための成長企業に投資する点では、NIKLを銘柄に上げている人もいました。そういう観点ではICTやJFCなどもあり?

↓参考 twitterでマファリカファンドの投資先についての話。返信でいろいろ銘柄を挙げてるコメントがあります。

以上、マハリカファンドについて調べてみました。私の保有株で現在マハリカ関連はありません(再エネや教育系などはいくつか買ってるけど)が、何か一つぐらいテーマ性のある銘柄を探してみようかなー

アイキャッチ画像は魔法使いサリーWikipedia – Maharlika から拝借しました。

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